
放射線治療装置はガンマナイフだけではありません。よく比較されるものとしてはサイバーナイフやノバリスなどの分割照射型治療装置があります。対応できる病気の種類や状態、実際の治療の流れなどに違いはあるのでしょうか。最新鋭のガンマナイフ装置を有する横浜労災病院脳神経外科部長の周藤高(しゅうとう・たかし)先生に、ガンマナイフとサイバーナイフの違いを教えていただきました。
ガンマナイフは装置内に頭部を固定して、その周囲に半球状に配置された約200個の線源(コバルト60)から発するガンマ線の細いビームを一点に集める仕組みになっています。一方、サイバーナイフはロボットアームの先端にX線を照射するためのリニアックと呼ばれるユニットが付いており、位置を変えながらさまざまな方向から照射するという仕組みです。
ガンマナイフは先に述べた構造上、脳をはじめとする頭蓋内の病変に対して治療を行うことになります。これに対してサイバーナイフは頭部以外、たとえば頚椎や体幹部の病変に対しても治療が可能です。
また、ガンマナイフは3cmを超える大きさの腫瘍などには適さないとも言われていましたが、現在では分割照射により3cm以上の病巣に対しても対応可能になっています。
ガンマナイフは専用のフレームをピンで頭部に固定する必要があります。局所麻酔を使うため痛みはありませんが、患者さんにとって心理的にも負担になることは否めません。フレームで固定しているからこそ誤差±0.5mmという高い精度での治療が可能なのですが、現在はエクステンドシステムという、患者さんにとってより負担の少ない固定方法もあります。これはマウスピースとバキューム枕で頭部を固定して分割照射を行うというものです。この方法でも誤差1mm以内の高い精度を実現しており、呼吸で頭が動いたりした時にはアラームで照射を停止するといった安全対策もとられています。
サイバーナイフはロボットアームが停止位置に移動するたびに患部をスキャンし、位置を特定して照射するため、固定はせず顔面にメッシュ状のマスクを装着します。精度の点ではガンマナイフに一歩譲るというところです。また、体幹部の病変に対して治療を行う場合は呼吸による影響を考慮する必要があります。これに関して、巡航ミサイルのナビゲーションに使用される自動追尾技術により、サイバーナイフには呼吸による動きを予測・補正する仕組みが取り入れられています。
ガンマナイフもサイバーナイフも、患部のみを正確に狙って多方向から放射線を照射するという点では同じです。これは周囲の正常な組織にできるだけ影響を及ぼさないためですが、放射線を使う以上、副作用がまったくないわけではありません。ですから、照射部位以外での被爆量を低く抑えることはきわめて重要です。
横浜労災病院で導入している最新のガンマナイフ(パーフェクションモデル)は、サイバーナイフをはじめとする各種放射線治療装置と比べて脳の他部位や体幹へは格段に被爆量が低く、同じガンマナイフでも以前の機種から大幅に改良されています。
横浜労災病院 副院長・脳定位放射線治療センター長
横浜労災病院 副院長・脳定位放射線治療センター長
日本脳神経外科学会 脳神経外科指導医・脳神経外科専門医・代議員日本脳卒中学会 脳卒中専門医・脳卒中指導医日本脳卒中の外科学会 技術指導医日本臨床倫理学会 上級臨床倫理認定士日本ガンマナイフ学会 理事・学術委員会委員・QA委員会委員長日本定位放射線治療学会 世話人日本ガンマナイフ治療計画勉強会 世話人日本放射線外科学会 世話人日本脳神経外科コングレス 会員日本頭蓋底外科学会 会員日本脳腫瘍の外科学会 会員日本医療マネジメント学会 会員日本職業・災害医学会 評議員・編集委員会委員
2015年開催の第16回日本ガンマナイフ研究会で会長を務める。困難な脳神経外科手術とガンマナイフをはじめとした定位放射線治療を両方行っている数少ない脳神経外科医。
周藤 高 先生の所属医療機関
周辺で脳腫瘍の実績がある医師
東京都立多摩総合医療センター 脳神経外科 部長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、感染症内科、消化器内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、血管外科、頭頸部外科、精神神経科、総合診療科、病理診断科
東京都府中市武蔵台2丁目8-29
JR武蔵野線「西国分寺」南口 JR中央線も乗り入れ バス(約5分):総合医療センター(府中メディカルプラザ)行き、西府駅行き 総合医療センター(府中メディカルプラザ)下車 徒歩14分
国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院 元副院長・元脳卒中センター長・非常勤、順天堂大学大学院 医学研究科客員教授
内科、血液内科、リウマチ科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、呼吸器内科、呼吸器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、乳腺腫瘍内科、膠原病科
東京都新宿区戸山1丁目21-1
都営大江戸線「若松河田」河田口 徒歩5分、東京メトロ東西線「早稲田」2番出口 徒歩15分
佐々総合病院 脳神経外科 部長
内科、外科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、小児科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産科、婦人科、リハビリテーション科、麻酔科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、脳神経内科、肛門外科、放射線診断科、児童精神科、総合診療科、産婦人科、救急科
東京都西東京市田無町4丁目24-15
西武新宿線「田無」北口 徒歩3分、西武池袋線「ひばりヶ丘」西武バス 境03、境05、田42系統 田無駅下車 徒歩3分 バス、JR中央線(快速)「武蔵境」西武バス 境03、境04、境07系統 田無駅下車 徒歩3分 バス
東京医科大学病院 脳卒中センター長、東京医科大学 脳神経外科学分野 主任教授
内科、血液内科、リウマチ・膠原病内科、外科、心療内科、神経内科、脳神経外科、呼吸器内科、呼吸器外科、消化器内科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、矯正歯科、歯科口腔外科、麻酔科、乳腺外科、循環器内科、糖尿病内科、代謝内科、内分泌内科
東京都新宿区西新宿6丁目7-1
東京メトロ丸ノ内線「西新宿」2番出口またはE5出口 徒歩1分、JR山手線「新宿」西口 その他JR複数線、小田急線小田原線、京王電鉄京王線、都営新宿線なども利用可能 徒歩10分
NTT東日本関東病院 脳神経外科 部長/脳卒中センター長
内科、消化器内科、循環器内科、腫瘍内科、血液内科、糖尿病・内分泌内科、高血圧・腎臓内科、感染症内科、精神科、呼吸器内科、緩和ケア内科、脳神経内科、脳血管内科、小児科、外科、乳腺外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科、整形外科、呼吸器外科、歯科口腔外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科、リウマチ膠原病科、放射線科、リハビリテーション科、救急科、麻酔科(ペインクリニック内科)、病理診断科
東京都品川区東五反田5丁目9-22
都営浅草線「五反田」 徒歩5分、JR山手線「五反田」東口より病院シャトルバスも運行あり 徒歩7分
関連の医療相談が16件あります
髄膜腫瘍術後再発?
今年の7月に頭蓋底髄膜腫瘍の手術をしました。先日11月に3ヶ月検診を受けた結果取り除けなかった残っている腫瘍がちょっと大きくなってきているとの 事で、グレー1だと聞いていましたがこんな早く再発する事があるのでしょうか?
脳幹手術のリスク
脳幹に腫瘍が出来るとどんな症状が出るのでしょうか? 脳幹手術で記憶障害や言語障害のリスクを出ると聞きましたが、どのようになりますか? 教えて頂けたらと思います
腕の腫れです
右小脳腫瘍の摘出手術をしてから、左が麻痺が残り、杖で歩いてます。左が麻痺してるから、右で杖を使うのでどうしても右に力が入り最近は右がよくしびれます
頭と顔面に痛みがある!!
症状発症は5月下旬、頭の痛みが始まる。現在は痛みが顔面に及び特に左目の後ろ辺りが痛いとのこと。 近所の二次救急指定病院の脳神経外科で診察を受け、CT,MRIの検査を受ける。結果、おでこの後ろ、真ん中より少し左に直径1センチほどの白い物が写っていた!!医師からは腫瘍ではないとの事!とりあえず6月中旬にもう一度検査をするとのことになった。 痛み止めをもらうが改善せず、また首も痛かったので以前に通院歴のある整形外科へ!!首の骨の4番目か5番目あたりが変形してヘルニアまではいっていないとのこと!コルセット装着で4,5日安静ということになった。本日で3日目。 また以前より軽い緑内障で昨日眼科へ定期受診の際には目には異常がないとの事。 また10年前からうつ病のため心療内科にも通院している。 本人は痛みであまり動けず現在自宅で患部を冷やしながら安静にしている。 いろいろな病気などもあるので、この際トータル的に診てもらえる総合診療科の受診を考えているが、病院の情報がなかなかつかめずに困っています。または他に別の科の受診をした方が良いのでしょうか? どの病院でどのような科を受診したらよいか?よろしくお願いいたします。
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「脳腫瘍」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。