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Brain
巨人症
巨人症とは、小児期において成長ホルモンが過剰に存在することから発症する、異常なほどに体が大きくなる病気を指します。成長ホルモンが過剰に存在することから、年齢に比して身長が非常に高くなり、心不全や...
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脳

巨人症きょじんしょう (別:先端巨大症)

更新日時: 2018 年 07 月 05 日【更新履歴
更新履歴
2018 年 07 月 05 日
内容を更新しました。
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
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概要

巨人症とは、小児期において成長ホルモンが過剰に存在することから発症する、異常なほどに体が大きくなる病気を指します。成長ホルモンが過剰に存在することから、年齢に比して身長が非常に高くなり、心不全や視力障害を来すこともあります。

なお、成人になってから成長ホルモンが過剰分泌されることもあります。この場合においては先端巨大症と呼びます。

巨人症はまれな病気で、多くは成人で発症し、手足・額・あご・唇・舌などが肥大する先端巨大症になり、高血圧、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群などを合併します。

成長ホルモンが過剰に分泌される原因は、ほとんどの場合は良性の下垂体腺腫です。手術を始めとした治療法が利用可能であり、患者さんに応じて適切な治療方法が選択されます。

原因

巨人症は、小児期において成長ホルモンが過剰に存在することから発症する、異常なほどに体が大きくなる病気です。小児期おいては、骨の一部に「骨端軟骨線」と呼ばれる部位が存在し、思春期に増加する性ホルモンの作用によって閉鎖する前に、この部位から成長ホルモンが過剰に分泌された場合に巨人症が発症します。

骨端軟骨線は骨が伸びるのにとても大切な部分であり、成長ホルモンの作用を受けることで骨が伸張します。思春期以降には骨端軟骨線が存在しなくなるので、身長の伸びが止まります。したがって、骨端軟骨線が存在する小児期において過剰な成長ホルモンが存在すると、過剰に骨が伸び身長がとても高くなることになります。

また成長ホルモンは筋肉や各種内臓にも影響を与え、それぞれの成長を促すことになります。

巨人症における過剰な成長ホルモンは、脳の一部に存在する「下垂体」と呼ばれる部分に発生した下垂体腺腫から分泌することがほとんどです。正常な下垂体も成長ホルモンを産生する能力を持っていますが、腺腫が存在すると成長ホルモンが過剰に分泌されることがあります。

その他の原因として、カーニー複合体、McCune-Albright症候群やMEN-1、神経線維腫症などと呼ばれる疾患と関連して、成長ホルモンが過剰産生されることもあります。またGPR101と呼ばれる遺伝子異常が原因となって、巨人症が発症することもあります。

症状

巨大症の症状は成長ホルモンが過剰に分泌されていることに関連したものであり、特に多い症状は年齢に比して高い身長です。その他、二次性徴の遅れ、手足・額・あご・唇・舌などの肥大、声色が低くなるなどの症状をみることがあります。

無治療の状態で長期間放置されると、高血圧や糖尿病、心不全等の重篤な病気を引き起こすこともあります。また甲状腺がんや大腸がんのリスクも増加します。

正常の下垂体は、とても小さいスペースに治まっていますが、下垂体腺腫が大きくなると周囲の構造物を圧迫することになり、そのことに関連した症状が出現するようになります。具体的には視野が狭くなる、頭痛、などです。

下垂体は成長ホルモン以外にも数多くのホルモンを分泌しています。下垂体腺腫が大きくなると「下垂体機能低下症」と呼ばれる状態を引き起こすことがあり、他のホルモン分泌が障害を受けることもあります。その結果として、男性であれば性欲の低下やインポテンツ、女性であれば不妊が生じることがあります。

その他にも食欲低下、体重減少、疲れやすさ、さらには血圧低下やけいれんなどの重篤な症状を来すこともあります。

検査・診断

巨人症の原因はほとんどが下垂体腺腫であるため、下垂体腺腫を確認するために血液検査と画像検査が主に行われます。血液検査では成長ホルモンと関連したホルモンである「IGF-1」と呼ばれるホルモンが、上昇しているかどうかを確認します。

また、糖分を経口摂取して、成長ホルモンの変化を確認する負荷試験を行います。正常では糖分の負荷に反応して血液中の成長ホルモンは低下するのですが、下垂体腺腫が存在すると十分に低下しなかったりむしろ上昇したりすることが確認されます。

また、下垂体腺腫を確認するために、頭部に対してCT検査やMRI検査が行われます。本検査では、下垂体腺腫の広がり具合を確認することができます。その他、全身骨のレントゲン撮影をし、骨で起きた変化を確認することもあります。

治療

巨人症の原因疾患は、そのほとんどが下垂体腺腫によるものであるため、下垂体腺腫に準じた治療法がとられます。治療法は手術療法が第一に選択されますが、状況によっては薬物療法やガンマナイフがその代わりになることもあります。

手術を行った後も腫瘍が摘出しきれていない場合、ホルモン異常の影響が続くことになります。その場合には、再手術が考えられますが、内科的治療としてソマトスタチンアナログなどの薬物を使うことがあります。ソマトスタチンアナログを月に一度注射することによりホルモン量が減少し、腫瘍も小さくなることが期待できます。

このほか、GH(成長ホルモン)受容体拮抗剤(注射剤)、ドパミンアゴニスト(飲み薬)という選択肢もありますが、一般的にはソマトスタチンアナログが薬物治療の第一選択肢です。

また、手術では取りきれず、かつ薬物療法も効きにくい場合には、ガンマナイフやサイバーナイフと呼ばれる放射線療法が治療の選択肢となります。

下垂体機能低下症を合併している場合には、不足しているホルモンを適宜補充する治療も併用します。

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