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下垂体腫瘍の治療-多くの場合手術療法が第一選択となるが、腫瘍によって有...
下垂体腺腫の主な治療法は手術療法ですが、腫瘍の種類や状況によっては薬物療法やガンマナイフが第一選択肢となることもあります。下垂体腺腫の治療方法法について神戸大学大学院医学研究科糖尿病分泌内科学准...
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下垂体腫瘍の治療-多くの場合手術療法が第一選択となるが、腫瘍によって有効な薬物がある

公開日 2016 年 02 月 23 日 | 更新日 2018 年 05 月 22 日

下垂体腫瘍の治療-多くの場合手術療法が第一選択となるが、腫瘍によって有効な薬物がある
高橋 裕 先生

神戸大学大学院医学研究科 糖尿病内分泌内科学 准教授

高橋 裕 先生

下垂体腺腫の主な治療法は手術療法ですが、腫瘍の種類や状況によっては薬物療法やガンマナイフが第一選択肢となることもあります。下垂体腺腫の治療方法法について神戸大学大学院医学研究科 糖尿病分泌内科学 准教授の高橋裕先生にお話を伺いました。

下垂体腺腫の手術療法

下垂体腫瘍は大きさによって、ミクロアデノーマ(1cm未満のもの)とマクロアデノーマ(1cm以上のもの)に分けられます。ミクロアデノーマは手術で切除すれば基本的に治ります。マクロアデノーマについてもうまく切除できればほぼ治りますが、周りに進展している場合には手術だけでは治療が難しい場合があります。手術の方法は「経蝶形骨洞(けいちょうけいこつどう)的下垂体腺腫摘出術」で、鼻の穴から内視鏡や顕微鏡を使って蝶形骨洞と呼ばれる副鼻腔を経て腫瘍にたどりつき、摘出します。開頭して腫瘍を摘出する手術法もありますが、最近では少なくなっています。

下垂体腺腫の薬物療法

ほとんどの下垂体腺腫は手術療法を第一選択肢として治療を行いますが、「プロラクチノーマ」は薬物療法が第一選択肢となります。薬物の効果が非常に高く、ほとんどの患者さんの腫瘍が小さくなり、ホルモン分泌が正常化します。カベルゴリンという薬を使い、長期間継続して飲み続けることが必要です。

また、先端巨大症の場合はマクロアデノーマが多く、手術で摘出しきれない場合があります。ホルモン異常の影響が続いている際には、ソマトスタチンアナログ(オクトレオチド、ランレオチド、パシレオチド)などの薬物を使うことがあります。月に1度の注射によりホルモン量が減少し、腫瘍も小さくなります。このほか、GH(成長ホルモン)受容体拮抗剤(注射剤)、ドパミンアゴニスト(カベルコリン(飲み薬))という選択肢もありますが、一般的にはまずソマトスタチンアナログが第一選択肢となります。

下垂体腺腫のガンマナイフ治療

手術では取りきれず、かつ薬物療法でも効きにくい場合には、ガンマナイフやサイバーナイフと呼ばれる放射線療法が治療の選択肢となります。比較的新しい治療法のため長期的なエビデンスはまだ出ていません。およそ50%の患者さんによい結果が得られるといわれています。ただし、効果が出るまでに時間がかかることと、副作用として下垂体機能低下症をきたすことがあります。

下垂体機能低下症のホルモン補充療法

下垂体からは前葉から6つのホルモン、後葉からは2つのホルモンが分泌されており、腫瘍の影響によって分泌が低下している場合には適切に補充する必要があります。中でも副腎皮質ホルモン・甲状腺ホルモンの低下は生命の維持に影響を及ぼすため必須となります。さらにQOL(生活の質)を上げたり、活力・元気を維持するために必要なのは性ホルモンと成長ホルモンです。ホルモン低下を診断するためには一般に負荷試験が必要です。これはホルモンを刺激する薬物を投与して2時間にわたり、数回の採血を行います。その結果これらのホルモンが低下している場合には「ホルモン補充療法」を行います。

後葉が腫瘍によりダメージを受けた場合、バゾプレシン分泌が低下すると1日にたくさんの尿が出る中枢性尿崩症を発症します。その場合にはデスモプレシンという尿の量を調節できるホルモンを補充します。ホルモン補充療法の際にどのくらいの量のホルモンを使用するか、さじ加減が必要でひとりひとりに合わせてうまく調節する必要がありますので内分泌代謝科専門医に相談することをお勧めします。

下垂体腺腫の治療方法成績

ミクロアデノーマでは平均して8〜9割、マクロアデノーマでは4〜6割が手術療法で完治します。手術療法で治らない場合は薬物療法が必要になります。薬物療法においては、基本的には継続した治療が必要です。

日本の間脳下垂体疾患診療、研究におけるフロントランナーの1人。厚労省班会議における間脳下垂体疾患診断ガイドライン作成に関わる一方、研究においては成長ホルモン分子異常症による低身長症、成人成長ホルモン分泌不全症における非アルコール性脂肪性肝炎、下垂体機能低下症の原因となる日本初の新たな疾患「抗PIT-1抗体症候群」など新しい疾患概念を次々と提唱してきた。内分泌代謝科専門医の育成にも尽力している。現在は分子生物学的アプローチ、疾患特異的iPS細胞を用いた下垂体腫瘍、機能低下症など下垂体疾患の原因解明と創薬を目指した研究を進めている。

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