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甲状腺がん
甲状腺に発生するがんには、甲状腺がんと悪性リンパ腫があります。甲状腺がんが90%以上を占め、下記の4つのタイプに分けられます。 乳頭がん 濾胞がん 未分化がん 髄様がん ...
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甲状腺がんこうじょうせんがん (別:甲状腺癌)

更新日時: 2018年08月02日【更新履歴
更新履歴
2018年08月02日
更新しました。
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
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概要

甲状腺に発生するがんには、甲状腺がんと悪性リンパ腫があります。甲状腺がんが90%以上を占め、下記の4つのタイプに分けられます。

  • 乳頭がん
  • 濾胞がん
  • 未分化がん
  • 髄様がん

この4つのタイプのがんは、それぞれ性質が全く異なります。

乳頭がん

甲状腺濾胞細胞由来のがんで、甲状腺がんの90%近くを占めます。30~50歳の女性に好発します。硬い結節として触れ、進行は緩やかで、10年生存率は90%以上です。また、血行性転移はまれであり、リンパ行性転移を起こしやすいのが特徴です。予後は良好ですが、悪性度の高い未分化がんに転化することがあるため注意が必要です。

濾胞がん

甲状腺濾胞細胞由来のがんです。甲状腺がんのなかでは2番目に多く、好発年齢や性差は乳頭がんと同じです。進行は穏やかですが、10年生存率は乳頭がんよりもやや低い傾向にあります。また、リンパ行性転移よりも血行性転移を起こしやすく、早期から肺、骨、肝臓に転移します。

未分化がん

甲状腺濾胞細胞由来のがんで、非常に悪性度が高いのが特徴です。甲状腺がんの2~4%を占め、60歳以上の方に多くみられます。女性に多い傾向がありますが、乳頭がんや濾胞がんと比較して、明らかな男女差はありません。進行は極めて急速です。診断されてから1年以上生存することはまれです。

髄様がん

甲状腺がんではもっとも少なく、傍濾胞細胞由来のがんです。好発年齢は30~50歳です。進行は比較的緩やかですが、10年生存率は50%~80%です。また、血行性転移よりもリンパ行性転移を起こしやすい傾向にあります。髄様がんに褐色細胞腫、副甲状腺腺腫という病気が加わったものをSipple症候群と呼び、髄様がんの30%以上はこれに該当します。

 

原因

甲状腺がんの原因はほとんど解明されていません。しかし、Sipple症候群を示す髄様がんは、ret遺伝子とよばれる遺伝子の変異により生じます。遺伝しやすく、常染色体優性遺伝の様式を持つことがわかっています。また、ある種の化学物質やテトラサイクリン系抗生剤が長期間体内に入ることで、甲状腺がんの発症が増加することが示唆されています。さらに、福島県原発事故でも話題になりましたが、放射性ヨウ素は甲状腺がんを誘発するものと考えられています。

 

症状

甲状腺がんの症状も、タイプによってそれぞれ異なります。

乳頭がん、濾胞がん

のどぼとけの辺りに可動性のない硬いしこりが触れることがありますが、痛みなどの症状はなく、健診などで偶然見つかる場合が多いのが実情です。

未分化がん

しこりが急激に大きくなり、腫れや発赤を生じます。また、しこりには痛みがあり、炎症反応に伴う発熱を生じることが多く見られます。甲状腺が急激に破壊されることによって一時的に甲状腺機能亢進状態となりますが、その後は甲状腺機能低下が引き起こされます。がんが進行すると、周囲の神経に浸潤して、声がかすれる、物が飲み込みづらい、といった症状も現れてきます。

髄様がん

しこりに痛みはなく自覚症状はほとんどありません。Sipple症候群を示す症例では、高血圧や下痢が起こりやすいのが特徴です。

検査・診断

甲状腺がんは超音波検査と細胞診により診断します。超音波検査でしこりの特徴を観察し、細胞診で病理学的に甲状腺がんのタイプを診断します。

超音波検査

それぞれのタイプで特徴的な像が観察されます。

乳頭がん

境界が不明瞭で不整あり、しこりの中に砂粒状石灰化が見られます。

濾胞がん

大きな石灰沈着が見られ、カラードップラー(良性腺腫との区別に用いられる)で血流が多いことが確認されます。

未分化がん

広い部分が壊死しているために、広い範囲で低エコー(画面上で黒くうつる)を示します。

髄様がん

大きな石灰沈着が見られるのが特徴です。

●細胞診検査

  • 乳頭がん:不規則な乳頭状増殖が見られます。
  • 濾胞がん:不規則な濾胞状増殖が見られます。
  • 未分化がん:核の大きな細胞が多く見られます。
  • 髄様がん:異形細胞と間質の間にアミロイド沈着が見られます。

その他の補助的検査としては、血液検査による甲状腺機能検査、Gaシンチグラフィーがあります。髄様がんに対しては、腫瘍マーカーであるカルシトニン、CEA値の計測やret遺伝子の検査、副腎腫瘍の検査など、Sipple症候群かどうかを判別するための検査が行われます。

治療

甲状腺がんの4つのタイプはそれぞれ異なる病気であるため、治療法もそれぞれ異なります。

乳頭がん、濾胞がん

基本的に甲状腺摘出術とリンパ節郭清を同時に行います。遠隔転移が疑われる場合には、アイソトープ治療を行います。また、年齢や全身状態などによって手術できない場合には、TSH抑制療法を行います。これは、甲状腺ホルモンを内服することで、甲状腺刺激ホルモンであるTSHの分泌を抑制する治療法であり、がんの進行を遅らせる効果が期待できます。

未分化がん

がんの浸潤が大きいため、手術により完全摘出できる例は少ないのが実情です。腫瘍が小さければ手術可能ですが、一般的には放射線治療や抗がん剤治療を行います。しかし、これらの治療も効果がみられる例は少なく、予後は極めて悪い病気です。

髄様がん

Sipple症候群に該当するか否かで治療法は大きく異なります。該当しない場合は、乳頭がんや濾胞がんと同じく甲状腺摘出術とリンパ節郭清を行います。該当する場合は、まずは褐色細胞腫の手術を行い、その後に甲状腺摘出術とリンパ節郭清を行います。さらに、副甲状腺機能亢進症を併発している場合には、同時に副甲状腺摘出術を行います。

 

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