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てんいせいのうしゅよう

転移性脳腫瘍

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

転移性脳腫瘍とは、他の臓器にできたがんが脳に転移したものです。全ての脳腫瘍の約20%を占めており、高齢化によるがん患者さんの増加や、がんの生存率が向上することによって転移の機会が増えたことに伴って、患者さんの数も増えています。転移は一つではなく複数で生じることが多く、神経症状や脳のむくみなど、さまざまな症状を引き起こします。

原因

他臓器がんが転移することで生じます。リンパ液にのって転移するよりも、血液にのって転移することが多いです。原発巣(元となっているがんの部位)としては肺がんがもっとも多く、転移性脳腫瘍の約半数を占めています。次いで乳がん消化器がんからの転移が多いです。また、患者数自体は少ないものの、悪性黒色腫は高確率で脳への転移を起こすことが知られています。

症状

転移性脳腫瘍で起こる可能性のある症状には、以下のものがあります。

・神経症状:麻痺や言語障害、視野障害、めまいなど

・けいれんなどの局所症状

・転移巣周囲のむくみによる症状:頭痛や吐き気、意識障害など

脳のどこに転移巣があるかによって、けいれんが起こるかどうかや、麻痺、言語障害、視野障害、めまいなどのうち現れる神経症状は変わります。

検査・診断

転移性脳腫瘍の検査では、CTやMRIの画像検査と同時に原発巣の検索も行われます。

画像検査:CT検査、MRI検査

造影剤を用いた画像検査を行います。腫瘍は内側の部分が壊死していることが多く、外側の部分がリング状に強調されます。また、脳全体のむくみの状態を調べることができます。

原発巣の検索

原発巣の検索では、全身のCT検査の他に、RIシンチグラフィーやPET検査が行われることがあります。また、全身状態を評価するために血液検査で貧血や炎症反応の状態を調べます。血液検査では腫瘍マーカーも調べられるため、原発巣を探すときの手掛かりとなることがあります。

治療

原発巣や全身の状態を考慮して治療が選択されます。

外科的切除

原発巣のがんがコントロール可能であり、根治的な治療を行える場合には手術をして取り除く治療が優先されます。 

放射線治療

手術が行えない場合には、放射線治療を行うことがあります。一般的に、直径3㎝以下の腫瘍にはγナイフなどの定位放射線治療が適応になります。転移巣が多く定位放射線治療が難しい場合には、全脳照射が行われます。

脳のむくみや脳圧を下げる治療

転移性脳腫瘍は脳がむくみやすく、脳圧が上がりやすい病気です。手術ができず、放射線治療にも効果がない場合には、非常に速い進行で脳のむくみや脳圧の上昇がみられ、激しい頭痛や嘔吐、意識障害が起こりえます。このような場合には、脳のむくみを取るためにステロイド投与を行ったり、脳圧を下げるために濃グリセリンなどを投与したりすることがあります。

 

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