インタビュー

ガンマナイフとはーガンマナイフ治療の仕組みと費用について

ガンマナイフとはーガンマナイフ治療の仕組みと費用について
周藤 高 先生

横浜労災病院 副院長・脳定位放射線治療センター長

周藤 高 先生

目次
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この記事の最終更新は2015年08月16日です。

頭のなかに何らかの病変が見つかった場合、どのような治療法があるでしょうか。
ガンマナイフは、ガンマ線を一点に集中させることによって、脳内の深いところにある病変に対しても開頭手術を行うことなく治療・コントロールできる装置です。治療を受ける方にとって負担が少ないガンマナイフ治療について、横浜労災病院・脳神経外科の周藤高(しゅうとう たかし)先生にお話を伺いました。

ガンマナイフは頭蓋内の病変を切らずに治すことができる定位放射線治療装置です。放射線の一種であるガンマ線の細いビームを多方向から一点に集中させることで、周囲の正常な組織を傷つけることなく、あたかもナイフで切り取るかのように目的の部位だけを狙って治療できることから、ガンマナイフと呼ばれています。

ガンマナイフ治療では、外科手術に比べ治療の負担をきわめて小さくすることが可能です。このような治療は「低侵襲治療」と呼ばれ、近年ますます重要視されています。事前検査を含めても2泊3日程度の短期間で治療が完了するため、患者さんの負担が少なく回復も早くなります。また、脳に転移した小さな腫瘍が多数あるような場合でも一度に治療することができます。

ガンマナイフはフレームでの頭部固定により精度の高い治療を可能とするシステムですが、国内に導入されてから20年以上の治療実績や、画像診断技術の向上などにより、現在もなお進化し続けています。

横浜労災病院のガンマナイフ
横浜労災病院のガンマナイフ

ガンマナイフは半球状に配置された約200個の線源(コバルト60)から発するガンマ線の細いビームを1ヶ所に集中させることで治療を行います。個々の線源から出るガンマ線の放射線量は低いため、頭皮や骨、脳内の正常な組織への影響はごくわずかですが、ビームが一点に重なり合うことで患部のみに高線量の照射が可能となります。頭部を専用のフレームで固定することにより、正確にターゲットだけを狙って照射することができます(誤差±0.5mm)。

ガンマナイフ治療は脳腫瘍全般・脳血管奇形のいずれも健康保険の適応になっています。
治療を受けたときにかかる金額は、検査や治療、入院などの諸費用を合わせると60万円ほどです(入院時の部屋代は別)。患者さんが負担する金額は加入している保険の種類によって異なりますが、企業などにお勤めで一般的な社会保険に加入されている方の場合、ご負担の割合は総額の3割=約20万円となります。
また、75歳以上で後期高齢者医療制度(1割負担)に該当する方の場合、月額の上限は44,400円です。
「健康保険高齢受給者証」を交付されている70歳から74歳までの方の場合、自己負担は原則として定率2割ですが、一定以上の所得がある方(被保険者)とその被扶養者にあたる方は定率3割と定められています。

高額療養費制度を利用される場合は、厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」をご覧ください。

横浜労災病院 脳定位放射線治療センターのHPはこちら

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