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おうもんきんにくしゅ

横紋筋肉腫

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

筋⾁の⼀種類である「横紋筋」と呼ばれる筋⾁のもとになる細胞から発生する悪性腫瘍です。

横紋筋は全⾝に広く分布していることから想像されるように、横紋筋⾁腫は全⾝のあらゆる部位に発⽣する可能性があります。なかでも、⽬の奥(眼窩(がんか))や頭頸部(とうけいぶ)とその周辺、四肢、膀胱や前⽴腺、精巣、⼦宮、膣などの泌尿・⽣殖器周辺に⽐較的多くみられます。

横紋筋⾁腫の治療は、化学療法、放射線療法、⼿術療法が主体となります。治療成績は、横紋筋⾁腫の広がり具合や腫瘍細胞が抱える遺伝学的な変化などによって異なることも知られています。治療に関連した合併症を来すこともあり、病気が治癒した後も⻑期的なフォローアップが必要となる疾患であるといえます。

原因

横紋筋⾁腫は、筋⾁の⼀種である「横紋筋」のもとになる細胞から発⽣する腫瘍です。形態学的な変化から、⼤きく胎児型と胞巣(ほうそう)型に分けられます。

胞巣型のほうが悪性度が⾼く予後が不良です。特に「PAX3-FOXO1」といったキメラ遺伝⼦(2 つの異なった遺伝⼦の⼀部が融合した遺伝⼦)などを伴うことがありますが、この遺伝⼦異常を抱える場合、⻑期的な予後が悪いことも知られています。

⼀⽅胎児型は胞巣型と⽐較すると、予後は悪くないと考えられています。その他、先天的な遺伝⼦異常が横紋筋⾁腫の発⽣に関与していることもあります。具体的に知られているものとしては、神経線維腫症1 型(NF1)、Li-Fraumeni 症候群、constitutional mismatch repair-deficiency syndrome などがあります。

神経線維腫症1 型(NF1)

神経線維腫症1型はNF1という遺伝子の異常で起こりますが、NF1はRAS やMAPK などの腫瘍発⽣、細胞増殖に関わる経路の異常を引き起こすことが知られています。横紋筋⾁腫以外にも神経膠腫(ししんけいこうしゅ)などを合併することがあります。

Li-Fraumeni 症候群

TP53 と呼ばれるがん抑制遺伝⼦に異常が⽣じる家族性の疾患であり、⽩⾎病や脳腫瘍乳がん、⾻⾁腫などさまざまな腫瘍が発⽣しやすくなることが知られています。

constitutional mismatch repair-deficiency syndrome

遺伝⼦情報が含まれるDNA の傷を修復するために必要な遺伝⼦が異常を来すことから発症する病気です。DNA への傷は、⽣命活動を送るにあたり避けることができない現象であり、それを修復する機能が⼈には備わっています。こうした修復過程に異常を来すことから、横紋筋⾁腫や⽩⾎病、脳腫瘍、神経芽腫など多くの腫瘍が発⽣することになります。

症状

横紋筋⾁腫の腫瘍は、体のあらゆる部位に発⽣することになり、出現する症状は発⽣部位により異なります。たとえば膀胱に発⽣した場合、尿に⾎液が混じる、尿が出にくいといった症状が出ます。

また、⿐の中に発⽣すれば⿐詰まり、眼の回りに発⽣すれば眼の周りが腫れる、などさまざまな症状が出現します。さらに、初めに発⽣した部位(原発巣)から他の臓器に転移をして初めて、病気が明らかになることもあります。

検査・診断

エコーやCT、MRI、⾻シンチ、PET などによる画像検査、⾻髄穿刺(こつずいせんし)検査、⽣検による病理診断、遺伝⼦診断の4 つを⾏います。

画像検査や⾻髄検査では、腫瘍が全⾝のどの部位に広がっているのかなど、病気の進⾏度を評価することができます。組織を採取する⽣検検査では、胎児型や胞巣型などの変化を確認します。さらに胞巣型には、胎児型には存在しない「キメラ遺伝⼦」という異常遺伝⼦が発現しているものが多く、このことを確認するためにPCR 法と呼ばれる⽅法で異常な遺伝⼦の存在を確認します。

治療

外科⼿術、化学療法(抗がん剤治療など)、放射線治療の3 つを⾏います。

⼿術で病変部位を取り除くことが重要になりますが、部位によっては放射線療法や化学療法が優先されるものもあります。たとえば、頭蓋内や眼の奥などは⼿術でのアプローチが困難なこともあるため、化学療法が優先されます。放射線療法を⾏う場合は、原則、最初に腫瘍のあった範囲に少し「のりしろ」を加えて照射されます。

⼩児横紋筋⾁腫の治療では、すべての場合において、抗がん剤治療を⾏います。最低、半年間は抗がん剤を使⽤することになります。具体的には、VAC 療法という3 剤(ビンクリスチン、アクチノマイシン、シクロホスファミド)を使⽤する治療法が標準的です。シクロホスファミドは治療上重要な薬剤ですが、副作⽤として、⼀定量投与すると不妊症になることがわかっています。そのため、不妊症の副作⽤の少ない薬剤の利⽤、精⼦や卵⼦をあらかじめ取り置き保存をする⼿段などを講じることも検討されます。

治療成績の向上により、病気が治癒して成⼈し社会に出られる⽅が増えるにつれ、それまでは問題とならなかった成⻑障害や内分泌障害、妊孕性(にんようせい)妊娠のしやすさ)の低下、⼆次がん(放射線治療や抗がん剤治療などが原因で別のがんを発症してしまうこと)といった晩期合併症の問題がクローズアップされてきました。そのため、命を救うだけでなく、少しでもこれらのリスクを減らす試みやケアが必要となります。

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