治療
外科⼿術、化学療法(抗がん剤治療など)、放射線治療の3 つを⾏います。
⼿術で病変部位を取り除くことが重要になりますが、部位によっては放射線療法や化学療法が優先されるものもあります。たとえば、頭蓋内や眼の奥などは⼿術でのアプローチが困難なこともあるため、化学療法が優先されます。放射線療法を⾏う場合は、原則、最初に腫瘍のあった範囲に少し「のりしろ」を加えて照射されます。
⼩児横紋筋⾁腫の治療では、すべての場合において、抗がん剤治療を⾏います。最低、半年間は抗がん剤を使⽤することになります。具体的には、VAC 療法という3 剤(ビンクリスチン、アクチノマイシン、シクロホスファミド)を使⽤する治療法が標準的です。シクロホスファミドは治療上重要な薬剤ですが、副作⽤として、⼀定量投与すると不妊症になることがわかっています。そのため、不妊症の副作⽤の少ない薬剤の利⽤、精⼦や卵⼦をあらかじめ取り置き保存をする⼿段などを講じることも検討されます。
治療成績の向上により、病気が治癒して成⼈し社会に出られる⽅が増えるにつれ、それまでは問題とならなかった成⻑障害や内分泌障害、妊孕性(妊娠のしやすさ)の低下、⼆次がん(放射線治療や抗がん剤治療などが原因で別のがんを発症してしまうこと)といった晩期合併症の問題がクローズアップされてきました。そのため、命を救うだけでなく、少しでもこれらのリスクを減らす試みやケアが必要となります。
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