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インタビュー

神経芽腫の検査と診断

神経芽腫の検査と診断
田尻 達郎 先生

京都府立医科大学 大学院医学研究科小児外科 教授

田尻 達郎 先生

神経芽腫が疑われる症状がある場合、検査や診断はどのように行うのでしょうか?引き続き京都府立医科大学大学院小児外科学教授の田尻達郎先生に、神経芽腫の検査と診断についてお伺いしました。

神経芽腫を疑う場合、まず最初に行うのは血液検査と尿検査になります。そもそも正常な交感神経の細胞はカテコールアミンという物質を産生し、分泌しています。そしてカテコールアミンは体内で代謝されるとバニルマンデル酸(VMA)とホモバニリン酸(HVA)となって尿中に排泄されます。一方、神経芽腫では交感神経の細胞が異常増殖するために、このカテコールアミンの産生が異常に多くなっています。その結果尿中に出てくるVMAやHVAの値の増加が見られます(ただし一部の神経芽腫ではVMA、HVAの増加が見られない場合もあります)。また、血液検査ではNSE、LDH、フェリチンなどが高い数値を示す場合に、神経芽腫を疑います。

画像検査とは超音波検査(エコー)や単純レントゲン(X線)検査、MRI、CTといった検査のことを指します。血液検査や尿検査で神経芽腫が疑われた場合、次にどこに腫瘍が発生したのかを特定するために、画像検査を行う必要があります。この他にもMIBGシンチグラフィという検査もあります。この検査では神経芽腫に特定の放射性同位体(ラジオアイソトープ)が集まるという性質を利用して放射性同位体を内服し、原発巣だけではなく、全身に転移がないかどうかを調べます。

神経芽腫で転移、再発しやすい部位は、骨、骨髄です。そこで骨髄への転移がないかどうかを診断するために左右の腰骨(腸骨)から骨髄を採取して、顕微鏡で診断を行います。

最終的に神経芽腫と診断を確定するためには、摘出した腫瘍や生検で一部採取した腫瘍組織を、顕微鏡で見て決定する必要があります。

現在、神経芽腫における新たな診断方法として神経芽腫の悪性度の血清診断法が進められており、神経芽腫に対する全国的臨床研究グループであるJCCG神経芽腫委員会(JNBSG)では、これから全国的に血清診断法に基づいた臨床試験を始める段階まできています。血清診断法とは、採血した血清中に存在するデオキシリボ核酸(DNA)の特定の遺伝子(MYCN遺伝子)を調べることで神経芽腫の悪性度を判断できるという方法です。このような腫瘍から出てきたDNAを血中から検出する液体細胞診(Liquid Biopsy)という方法は,成人癌の領域でも注目されてきており、神経芽腫でもこのような検査方法が確立すれば、検査による患者さんの負担も少なくなり、低侵襲な方法で患者さん個人に適したテーラーメイド型治療が可能になるのではないかと考えています。

 

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