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しょうにがん

小児がん

最終更新日
2021年07月12日
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2021/07/12
更新しました
2020/11/09
掲載しました。

概要

小児がんとは、一般的に15歳未満の小児に発生するがんの総称です。生活習慣に起因することの多い大腸がん胃がん肺がんなどの成人が発症しやすいがんとは異なり、小児がんは白血病が約4割を占め、次いで脳腫瘍(のうしゅよう)、リンパ腫が多いのが特徴です。また、成人ではまれな神経芽腫(しんけいがしゅ)や腎芽腫(ウィルムス腫瘍)、肝芽腫など胎児期の細胞が出生後も体内に残って増殖することで発症するがん、網膜芽腫やウィルムス腫瘍など遺伝が関与するがんなども見られます。

小児がんの治療は成人のがんと同じく、手術・薬物療法(化学療法)・放射線治療・造血幹細胞移植などが必要に応じて行われます。小児がんは進行が速いとされていますが、これらの治療効果が高いのも特徴の1つであり、小児がん患者の7~8割は治るようになってきているのが現状です。

一方で、小児がんは成長期に厳しい治療を行わなければならないため、患者や家族に大きな負担が生じることになります。入院期間が長くなるケースも多く、学業や日常生活に支障をきたすこともあり、さらには抗がん剤や放射線の影響で生殖機能にダメージを与えることも少なくありません。そのため、小児がんではがん自体を治すことだけでなく、長期的に生じる合併症への対策も重要となります。

原因

小児がんは、小児に発症するがんの総称であるため、その原因はがんの種類によって大きく異なります。しかし、いずれも成人に発症するがんとは異なり、乱れた食生活や運動不足などの好ましくない生活習慣が原因とはならないのが特徴です。

小児がんの約4割を白血病、約2割を脳腫瘍が占めますが、白血病や脳腫瘍にもさまざまなタイプがあります。遺伝子の変異が関与していることが分かっているものもありますが、はっきりした発症メカニズムが解明されていないものも少なくありません。

また、成人にはまれで小児に発症しやすいがんとしては“芽腫”と呼ばれるタイプのがん(胎児性腫瘍)があります。神経芽腫、腎芽腫、肝芽腫などが挙げられ、これらのがんは胎生期に交感神経や腎臓、肝臓などに分化するはずの細胞の一部が体内に残り、出生後に異常増殖することによって発症すると考えられています。

症状

小児がんの症状は、がんの種類によって大きく異なります。

小児がんの最多を占める白血病は、発症すると正常な血液の細胞が作られにくくなるため、風邪をひきやすくなる、鼻血や歯茎からの出血が生じやすくなるといった症状、貧血による動悸や倦怠感、息切れなどが見られるようになります。

一方、白血病に次いで多い脳腫瘍を発症すると手足の麻痺、視力・視野障害、けいれん、性格や行動の変化などの神経症状が現れるようになり、進行すると意識障害や呼吸機能の低下などを引き起こすこともあります。

そのほかには、腎臓や肝臓、骨などに発生するがんでは、大きなしこりや痛みなどの症状が現れるようになり、発生した臓器の機能が低下してそれに伴うさまざまな症状が現れることもあります。

検査・診断

小児がんが疑われるときは、がんの種類によって次のような検査が適宜行われます。

血液検査

血液細胞(白血球、赤血球、血小板)数の異常や炎症の有無、腎臓や肝臓の機能などを調べるために血液検査が行われます。また、がんの種類によっては特定の腫瘍マーカー(がんを発症すると体内で産生されるようになる物質)が上昇するものもあるため、それらのがんでは診断の手がかりの1つとして血液中の腫瘍マーカーの値を調べるケースもあります。

画像検査

臓器、骨、神経などに発生するがんが疑われる場合は、病変の有無を確認するためにレントゲン、CT、MRI、PET、超音波などを用いた画像検査が行われます。

一般的には超音波検査やCT検査など簡易的に行うことができる検査を実施し、病変が発見されたらMRIやPETなどを用いて精密検査を行います。

骨髄検査

白血病が疑われる場合は、骨髄の状態を評価するために骨髄を採取して顕微鏡で詳しく観察する検査が行われます。痛みを伴う検査ですが、白血病のタイプ、重症度などを評価し、治療方針を決めるうえで重要な検査となります。

遺伝子検査

小児がんの中には、網膜芽腫やウィルムス腫瘍などのように遺伝子の異常が関与しているタイプのがんもあります。これらのがんが疑われるときは診断の手がかりとして遺伝子検査を行うことがあります。

治療

小児がんと診断された場合は、がんの種類によって主に次のような治療が行われます。

手術

脳腫瘍神経芽腫肝芽腫、腎芽腫、骨腫瘍などしこりを形成するがんは、手術が困難な部位に発生したケースを除いて基本的には手術による切除が行われます。

また、診断時に手術が困難な場合は、先に抗がん剤治療を行なって腫瘍を小さくしてから手術を行うこともあります。手術のみを行うのではなく、再発などを予防するために手術後に抗がん剤治療や放射線治療を併用するケースもあります。

薬物療法(化学療法)

小児がんは、白血病をはじめとして抗がん剤や分子標的治療薬などによる薬物療法が効きやすいのが特徴の1つです。がんの種類によって使用される薬剤は異なりますが、医学の進歩によって薬物療法のみで完治するケースも増えています。

放射線治療

脳腫瘍など臓器や骨、神経などに発生するがんの中には放射線治療が非常に効くタイプのがんもあります。これらのがんではX線、電子線、陽子線などの放射線治療が行われますが、卵巣や精巣などの機能にダメージを与えることも多いため実施の可否は慎重な判断が求められます。

造血幹細胞移植

小児がんでもっとも多い白血病は、薬物療法のみで治るケースも多いですが、十分な効果が得られない場合は血液細胞のもととなる正常な造血幹細胞を移植する治療が行われます。副作用や体への負担が大きな治療となりますが、高い効果を期待することができます。

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