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白血病のあざの特徴とは?~一般的なあざとの違いやあざができる原因について解説~

白血病のあざの特徴とは?~一般的なあざとの違いやあざができる原因について解説~
正木 康史 先生

金沢医科大学病院 血液リウマチ膠原病科 教授

正木 康史 先生

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白血病とは、血液細胞(赤血球や白血球など)のもととなる造血幹細胞が血液細胞に成長するまでの過程で腫瘍(しゅよう)化してしまう血液のがんです。どの細胞ががん化するかによって急性白血病と慢性白血病に分類され、さらに骨髄性白血病とリンパ性白血病に大別されます。

白血病ではさまざまな症状が現れますが、なかでも「皮膚にあざができやすくなる」というイメージをお持ちの方は少なくないのではないでしょうか。

このページでは、成人の白血病のあざの特徴や普通のあざとの違い、あざ以外の症状などについてご紹介します。

白血病で生じるあざ紫斑(しはん)、青あざなどと呼ばれ、色合いは紫紅色、あるいは暗紫褐色などと表現されます。

ただし、青あざは血液中の赤血球が皮膚内に漏れ出ることによって生じ、白血病以外の病気でもみられることがあります。そのため、あざができたからといって白血病だと判断することは困難です。

など

紫斑や青あざと呼ばれるあざは、病気がなくても生じることがあります。一般的な青あざは強くぶつけたなど明らかな原因によって、皮膚の中で一時的に出血することで生じます。このような青あざは、青たん、うちみなどと呼ばれることがあります。

一方、白血病の青あざはぶつけた記憶がなくても生じることがあります。また、白血病を発症すると、これまでよりも軽い刺激で青あざが生じやすくなります。

白血病を発症すると、正常な血液細胞が減少することによってさまざまな症状が起こります。なかでも青あざができるのには、血小板と呼ばれる血液細胞の減少が関わっています。血小板には、血管が破れて出血した際に、破れた箇所に付着し血液の流出を食い止める役割があります。そのため、血小板が減少してしまうと血液の流出を食い止めるものがなくなり、出血した際に血が止まりにくくなってしまいます。これにより、白血病では鼻血や歯肉からの出血などがみられやすくなるほか、皮膚の下での出血(皮下出血・内出血)も生じやすくなるため青あざができやすくなります。

症状は白血病の種類によっても少しずつ異なるほか、急性か慢性かによっても現れ方が異なります。急性の場合は進行速度が早いぶん急速に症状が現れますが、慢性の場合は進行速度が遅いため症状が現れにくくなります。

以下では、白血病全般の一般的な症状についてご紹介します。

赤血球の減少による症状

貧血状態に陥ることで、体のだるさや息切れ、動悸、めまいなどの症状がみられます。

白血球の減少による症状

感染症にかかりやすくなることで、発熱や喉の腫れなどの症状が現れます。

血小板の減少による症状

出血が止まりにくくなることによって、あざができやすくなり、鼻血や歯肉からの出血が生じやすくなります。

白血病では、白血病細胞が増殖することによってさまざまな症状が現れます。

白血病細胞は骨髄で増殖し、骨や関節の痛みを引き起こすことがあります。また、骨髄で増殖した白血病細胞が肝臓や脾臓(ひぞう)などの臓器に入り込むと、臓器が腫れることによってお腹の腫れや圧迫感を自覚することもあります。さらに白血病細胞が中枢神経系に入り込むと、頭痛や吐き気、手足の麻痺や感覚障害などの神経症状が現れることもあります。

白血病にはあざ以外にもさまざまな症状があり、その現れ方も類によって異なります。急性白血病の場合は速やかな治療が必要になることもあるため、気になる症状があれば医療機関の受診を検討するようにしましょう。

また、慢性白血病の場合はなかなか自覚症状が現れないため、健康診断の血液検査などで発見されることも少なくありません。定期的に健康診断を受診し、早期発見に努めましょう。

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