へんぺいぼはん

扁平母斑

最終更新日:
2023年09月28日
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2023/09/28
更新しました
2023/09/07
更新しました
2017/04/25
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概要

扁平母斑とは、境界線がはっきりとしている茶色のあざ(色素斑)で、出生時にみられることもありますが、出生後に発生し徐々に目立ってくることもあります。このあざは粘膜を除いてあらゆる部位に発生し、大きさや形状もさまざまです。薄茶色をした扁平母斑の場合、カフェオレ斑と呼ぶこともあります。

なお、扁平母斑(カフェオレ斑)の部分に点状の濃い色素斑を認める場合、点状集簇性母斑と呼ぶこともあります。

通常、扁平母斑は発生しても数個以内ですが、神経線維腫症1型(NF1)という病気の場合、小児で0.5cm以上、成人で1.5cm以上の類円形のあざが6個以上みられることもあります。

扁平母斑は基本的に悪性化することがないため、治療は整容面の改善を目的として行われます。

原因

表皮(皮膚の表面)に存在するメラノサイトという細胞がメラニン*を多く作り出すことによって生じます。そのため、紫外線を浴びると扁平母斑の色が濃くなることもあります。

*メラニン:紫外線のダメージなどから肌を守るために作られる色素のこと

症状

扁平母斑では、生まれつきないし生まれてから皮膚に淡茶色から茶褐色のあざを生じます。

大きさは数mm程度から20cmを超えるものまでさまざまで、形状も類円形からギザギザしたものまで認められます。あざは成長とともに大きくなり、成長が止まるとそれ以上大きくなることはないとされています。

検査・診断

皮膚に茶色のあざを認める場合などの形態的な特徴、発症時期(新生児期〜幼児期)などを踏まえ診断します。茶あざが6個以上ある場合には神経線維腫症1型(NF1)の疑いがあるため、追加でCTやMRIなどの画像検査が行われます。

治療

扁平母斑では悪性化の心配がなく、治療は容姿を改善する目的で行われます。従来、扁平母斑の治療には液体窒素やドライアイスなどが用いられていましたが、再発が懸念されており、現在ではレーザーを用いた治療が主に行われます。

扁平母斑の治療には、ルビーレーザーやQスイッチ付きルビーレーザーなどが用いられます。これらは太田母斑などの色素性病変の治療に有効で、特にQスイッチ付きルビーレーザーはメラニンの吸収率が高く、周囲へのダメージを抑えながらも、高い出力のエネルギーでメラニン色素の破壊・除去を期待することができます。

レーザー治療の後、あざがあった部位は赤みを帯びますが、通常1か月程度で消失します。また、赤みが消失した後は色素沈着を認めますが、3か月程度で徐々に薄くなっていきます。色素沈着の程度や薄くなるまでの期間には個人差があり、6か月から1年程度かかることもあります。色素沈着のリスクについて完全に予測することは困難ですが、事前にレーザーのテスト照射を行い、経過観察を行ってから治療を開始する方法もあります。

なお、扁平母斑はレーザー治療を行っても改善せず再発を認めることが多く、この場合にはドライアイスでの治療や手術療法が検討されます。

予防

扁平母斑は生まれつき生じることが多く、予防することは困難です。また、生まれつき発生する場合では、成人になって治療を行っても改善しにくく再発率も高いといわれています。

しかし、幼少期にレーザー治療を受けることで治療の効果を認められることが多くなることが報告されています。発生を予防することは難しいものの、生まれつきあざを認める場合には、早期に医療機関へ相談するとよいでしょう。

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