治療
治療も、打撲を受けた部位によって大きく変わります。
太ももの打撲
すぐに安静にして衝撃を受けた部位の状態を確認します。患者さん自身がいちばん楽な姿勢(寝かせる、座らせるなど)にします。
確認するポイントとしては、左右と比べて変形はないか、腫れはどれくらいか、皮膚の変色はどうか、といった点です。大きな変色がある場合には骨折も考えられます。
確認を終えたら応急処置をおこないます。冷却パックや氷水などで冷やすと腫れや内出血を軽くすることができます。
冷却パックなどを使う際には、皮膚に直接あてることはせず、薄い布などをあいだにはさむようにすることが望ましいです。包帯などで圧迫しながら冷却パックなどを固定します。
処置のあいだで膝が曲がらなくならないように、可能なかぎりで膝を曲げた状態で冷やすとよいといえます。
目の打撲
腫れや、軽い痛みといった症状であれば、冷却パックなどで冷やします。ただし、目を圧迫しすぎないように注意が必要です。
以下のような自覚症状がひとつでもあるときには、一度症状がおさまったとしても眼科の受診が望ましいです。
- 目がかすむ
- 充血や出血がある
- ものがふたつに見える
- 飛蚊症(ものを見ているときに黒い虫のようなものや、薄い雲のようなものが見える症状)があらわれる
- 視力の低下がみられる
などがあります。
特に眼球破裂(眼球から血液や液体の滲出がみられるとき)には、目を圧迫しないようにしながらすぐに眼科専門医のもとを受診してください。
頭の打撲
頭を打っても、症状がすぐに回復するときはそのまま経過をみることもあります。一方で、以下のような症状があるときには重症だと考えられます。
- 意識障害が治らない、悪化するとき
- 手足に麻痺がみられるとき
- ことばを流暢に話せないとき
- けいれんがあるとき
- 何度も繰り返す吐き気や嘔吐があるとき
- 瞳の大きさが左右で違う(瞳孔不同)
- 呼吸障害などの症状があるとき
症状の確認をおこなうときには、決してすぐには立たせずに寝かせた状態でチェックします。
受傷直後は症状がみられなくても、しばらくして悪化することもあるので、様子をみているあいだにこのような症状みられたら、すぐに救急搬送する必要があります。
歯の打撲
安静にすることで数日から1~2週間で治癒します。治療としては、痛みを緩和するための消炎鎮痛薬を使用します。
打撲かどうかは診断をおこなわないとわからないため、受傷した際には医療機関を受診し、適切な診断をうけ、対処を行うことが望ましいと考えられます。
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