症状
振動障害による症状は以下のとおりです。
末梢循環障害
初期には、寒い季節の手指の冷えやしびれとして自覚します。年数が経つとレイノー現象がみられます。レイノー現象とは、さまざまな刺激(寒冷、ストレス、精神的刺激)が生じた際に、指趾細動脈の一過性収縮による皮膚の冷感と、白蝋様の蒼白化を特徴とします。
発作時には冷感、疼痛、しびれ感などを伴うことが多いです。
症状は数分~30分程度持続して回復します。レイノー現象は振動障害のみならず、膠原病や動脈の閉塞性疾患などを背景として生じることもあります。明らかな基礎疾患がない場合はレイノー病と呼ばれます。振動障害に見られるレイノー現象は、通常左右非対称性に振動刺激を最も強く受けた指から生じます。以後、他の指にも順次拡大していきますが、親指に出現することはまれです。
末梢神経障害
指のしびれや触覚、痛覚、温度覚の低下などがみられます。これらの症状は寒冷刺激で増悪することが多く、末梢神経障害と末梢血管障害は両者が同時に生じることが多いです。
手のしびれは頚椎の病気や胸郭出口症候群、糖尿病、絞扼性神経障害などの病気でも起こりうるため、診断には慎重を要します。
運動器(骨・関節)の障害
肘の疼痛、運動制限、肘の伸展制限、骨棘の形成、骨軟骨炎などが認められることがあります。振動障害として認められるのは肘関節までの障害で、肩関節は認められていません。
医師の方へ
「振動障害」を登録すると、新着の情報をお知らせします