原因
肺がんや乳がん、食道がんなど胸にできたがんに対して、放射線療法が行われることがあります。このとき、がんが存在する部位を含むように放射線が当てられますが、がん組織以外にも周囲に存在する正常組織に対して同時に放射線が当たってしまいます。放射線が当たる領域に肺が存在すると、正常な肺が放射線による障害を受けることになり、その結果として放射線肺炎が発症します。
放射線肺炎を引き起こすかどうかは、放射線がどの程度の量であるかも大きく影響します。たとえば同じく放射線を利用するレントゲン写真でも肺に放射線が当たりますが、レントゲン写真で使用される程度の少量の放射線では放射線肺炎を発症することはないと考えられます。しかし、放射線療法では多くの放射線を照射するため、組織障害が生じやすいといえます。
また、放射線肺炎は一部の抗がん剤と併用すると発症する可能性が高まるといわれています。また、基礎疾患として慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎などをもともと抱えている方が放射線療法を受けると、放射線肺炎を発症するリスクが高いとされています。
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放射線肺炎について
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