検査・診断
日本ではほぼ全ての新生児に対して、新生児マススクリーニングという検査が実施されています。ほとんどの有機酸代謝異常症もこの検査に含まれており、有機酸代謝異常の疑いがあるかが生後1~2週に判明します。ただし重症の子どもではその前に発症することもあるので注意が必要です。
有機酸代謝異常症が疑われる場合は医療機関でさらなる詳しい検査が行われます。
血液検査、尿検査
尿中の特徴的な有機酸のパターンを見ることで診断をすることができます。また、有機酸代謝異常症では病気に特徴的なアシルカルニチンと呼ばれる物質が増えるため、診断の参考になります。新生児マススクリーニング検査ではアシルカルニチンの濃度を調べます。
そのほか、アンモニア値、血糖値、肝機能などを調べて全身の状態を評価するためにも血液検査が必要です。
診断の確定には、遺伝子検査や酵素活性測定(血液細胞や培養皮膚線維芽細胞*を用いた分析)、培養皮膚線維芽細胞を用いた機能解析など特殊な検査が行われます。
*培養皮膚線維芽細胞:皮膚の機能を保つうえで重要な役割を果たす線維芽細胞を培養したもの。
画像検査(頭部MRI検査)
有機酸代謝異常は、けいれんなどの神経症状を引き起こすことがあり、その評価を目的に頭部MRI検査が行われます。また、病気に特徴的な所見を示すことがあり、診断に役立つ場合があります。病気の進行度や治療効果の評価、長期的な予後予測に用いられることもあります。
遺伝子検査
発症の原因となる、アミノ酸代謝に必要な酵素の遺伝子変異があるか否かを調べるための遺伝子検査を行う場合があります。
医師の方へ
「有機酸代謝異常症」を登録すると、新着の情報をお知らせします