もうはつきけい(ねざーとんしょうこうぐんねんてんもうれんじゅもう)

毛髪奇形(ネザートン症候群捻転毛連珠毛)

最終更新日:
2018年09月05日
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2018/09/05
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概要

毛髪奇形とは、毛髪が異常な形態を示す状態をいいますが、ネザートン症候群といった遺伝子疾患の一症状であることもあります。毛の太さが一定ではなくコイルのようにねじれたり、数珠状に髪の毛が細くなったりします。

毛髪奇形に対しては、個々の形態に応じて対応方法が検討されます。ネザートン症候群の場合は、根治的な治療方法がないため、対症療法が中心となります。

原因

毛髪奇形は遺伝子異常を原因として発症することがあり、ネザートン症候群を例に挙げることができます。ネザートン症候群は、上皮系細胞に発現するセリンプロテアーゼインヒビターをコードする遺伝子SPINK5遺伝子に異常が生じることで発症します。

SPINK5遺伝子は毛髪の成長に関わるのみならず、皮膚の成熟や胸腺におけるリンパ球の発達にも重要な役割を担っています。そのため、ネザートン症候群では、毛髪奇形以外にも皮膚や免疫系の異常がみられます。

なお、ネザートン症候群は常染色体劣性遺伝と呼ばれる遺伝形式により遺伝します。

症状

毛髪奇形には捻転毛(ねんてんもう)連珠毛(れんじゅもう)などを含め、さまざまな髪の毛の形態異常があります。

  • 捻転毛:毛の太さが一定ではなくコイルのようにねじれる
  • 連珠毛:数珠状に髪の毛が細くなり、折れやすい

こうした毛髪奇形が、ネザートン症候群を始めとした遺伝子疾患の一症状として生じることがあります。

ネザートン症候群

毛髪奇形以外にも症状がみられます。皮膚が乾燥し(うろこ)のようになったり、アトピー性皮膚炎喘息などのアレルギー性疾患を併発したりすることがあります。また、感染症に弱くなり、皮膚や臓器に感染症を繰り返すこともあります。

検査・診断

毛髪奇形では、毛髪の形態を詳細に評価することが大切です。そのため、肉眼的に頭皮や毛髪を詳細に観察したり、顕微鏡を用いて髪の毛の形態を評価したりします。

毛髪奇形はネザートン症候群のような遺伝子疾患の一症状として生じることもあるため、必要に応じた検査が行われます。状況によっては、血液などを用いた遺伝子検査が行われることもあります。

治療

毛髪奇形に対しては、個々の形態に応じて対応方法が検討されますが、毛髪に過度の刺激を加えないことが重要です。また、基礎疾患としてネザートン症候群のような疾患が潜んでいる場合には、基礎疾患に応じた治療介入を検討することも大切です。

ネザートン症候群の治療

根治的な治療方法は存在しておらず、対症療法が中心となります。皮膚に対する外用療法や感染症に対する抗生物質の投与などが検討されます。かゆみに対しては抗ヒスタミン薬が使用されます。また、日頃のスキンケアの一環としてフケ対策用のシャンプーが用いられることもあります。

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