おんねつじんましん

温熱蕁麻疹

同義語
温熱じんま疹
最終更新日:
2024年12月05日
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2024/12/05
更新しました
2019/01/07
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概要

温熱蕁麻疹とは、温風や、体温より高い温度のものに触れることで現れる蕁麻疹(じんましん)です。皮膚が盛り上がり(膨疹)、かゆみや赤みを伴います。

蕁麻疹とは、アレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)が皮膚に侵入したり、皮膚に何らかの刺激が加わったりすることで皮膚が赤く膨れ上がる状態で、原因や症状が現れる期間などによって急性蕁麻疹や慢性蕁麻疹、物理性蕁麻疹など複数種類に分けられます。温熱蕁麻疹は、機械的擦過(ひっかきなど)や圧迫、温熱などの刺激が原因で蕁麻疹が生じる“物理性蕁麻疹”の1つで、刺激誘発型蕁麻疹に分類されます。

温熱蕁麻疹の多くは、温熱刺激を受けた部位のみ蕁麻疹が現れる“局所性温熱蕁麻疹”ですが、温熱刺激を受けていない部分に症状が現れる“全身性温熱蕁麻疹”もみられます。

温熱蕁麻疹と診断された場合は、症状の悪化や再発を予防するためのセルフケアの指導や、必要に応じて薬物療法が行われます。

刺激誘発型蕁麻疹:特定の刺激により引き起こされる蕁麻疹。食べ物によるアレルギー性の蕁麻疹、寒冷、温熱などの物理刺激による蕁麻疹などが含まれる。

原因

温熱蕁麻疹は、温熱刺激が皮膚に加わることで発症します。明確な発症のメカニズムは解明されていないものの、皮膚への温熱刺激によって、かゆみや赤みを引き起こす“ヒスタミン”という物質が過剰に分泌されることが原因と考えられています。

原因となる温熱刺激としては下記のようなものが挙げられます。

  • お湯
  • 温度の高い飲み物や食べ物
  • ホットカーペットやカイロ
  • ストーブやドライヤーなどから出る温風
  • 日光浴

症状

温熱蕁麻疹では、原因となる温熱刺激を受けた直後〜数分後に、皮膚にかゆみや赤みを伴う膨疹が出現します。症状は温熱刺激を受けた部分のみにみられることもありますが、まれに温熱刺激が加わった部位とは無関係なところにみられるケースもあります。

いずれの場合も、一般的に症状は数時間以内であとを残さず自然に消失します。軽症の場合は特別な治療を要する症状はありませんが、重症の場合は、蕁麻疹に加え吐き気や呼吸困難などが生じることもあります。

検査・診断

温熱蕁麻疹が疑われる場合は、症状が出現したときの状況などを問診で確認し、原因となる刺激を特定します。さらに、診断の確定や類似の症状を示す病気との鑑別のために、実際に皮膚に温熱刺激を与え、症状の有無を観察する検査が行われることもあります。

治療

温熱蕁麻疹では、セルフケアの指導と、生活習慣や症状に応じた薬物療法が検討されます。

これら症状に対するケアや治療のほかに、温熱蕁麻疹そのものの治療として、繰り返しまたは単回の温熱負荷を加えることで寛解を誘導できたとする報告もあります。

セルフケア

温熱蕁麻疹の原因となる温熱刺激が特定できた場合は、できる限りその刺激を避けることが重要です。温熱蕁麻疹は気温の高い夏場だけでなく、暖房などを使用する冬場にも症状が誘発されることがあるため、季節を問わず温熱刺激には注意が必要です。また、患部をかくと蕁麻疹が広がったり症状が悪化したりする恐れがあるため、かゆみが出てもかかないよう意識しましょう。かゆみがつらい場合は、患部を濡れタオルなどで一時的に冷やすことも有効です。

このほか、温熱蕁麻疹に限らず、蕁麻疹はストレスや体調の悪化、アレルギーなどによって発症するリスクが高まるといわれています。規則正しい生活を心がけ、ストレスを溜めないよう意識するとよいでしょう。

薬物療法

日光や暖房、ドライヤー、入浴などが原因となっている場合は避けるのが困難なため、抗ヒスタミン薬を用いた薬物療法が検討されることがあります。また、抗IgE抗体と呼ばれる皮下注射薬による治療が有効なことがあります。

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