てきじょうかんせん

滴状乾癬

最終更新日:
2021年09月16日
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2021/09/16
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概要

滴状乾癬とは、直径1cm大程度の小さな紅斑(こうはん)(紅い皮疹(ひしん))が全身に多発する病気のことです。水滴が跳ねたようなポツポツとした皮疹が生じることから、この病名がついています。

乾癬には、尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)、滴状乾癬、膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)、乾癬性関節症、乾癬性紅皮症の5つの病型があります。これらのうち尋常性乾癬が約90%を占め、尋常性乾癬では大小さまざまな大きさの皮疹が全身に現れますが、滴状乾癬からこの尋常性乾癬に移行する場合もあります。

日本における乾癬の患者数は50〜60万人程度と推定され、男性に多く、男女比は2:1程度といわれています。滴状乾癬は子どもに発症することが多いとされています。

原因

乾癬の原因はまだはっきりと分かっていません。しかし、乾癬になりやすいという体質的な要素(遺伝的素因)に、環境因子(ストレス、不規則な食生活、肥満、感染症、薬剤など)が加わり、免疫に異常が生じることで発症すると考えられています。

滴状乾癬については、上気道のレンサ球菌(溶連菌など)の感染をきっかけとして突然発症することが多く、薬剤によって誘発されることもあります。

症状

滴状乾癬では、水滴状の小さく盛り上がった鱗屑(りんせつ)(皮膚の粉)を伴う紅斑が全身に多発します。このような皮疹は乾癬の大部分を占める尋常性乾癬に似ていますが、滴状乾癬でみられる皮疹は尋常性乾癬よりも小さく、直径1cm大程度の小さな皮疹が散在します。

滴状乾癬は上気道感染後に起こることが多く、この場合には発熱や喉の痛みなどの感染症による症状が現れた後に皮疹が生じます。皮疹は特に体幹や手足の体幹に近い部分に発生することが多いといわれ、感染症がよくなると皮疹も改善していきます。

検査・診断

滴状乾癬でみられる皮疹は特徴的であり、風邪などの感染症に続いて発症することが多いため、問診と視診によって診断がつく場合があります。問診と視診だけで判断が難しい場合には、皮膚生検(皮疹の一部を採取して顕微鏡で調べること)が行われます。

治療

感染症による滴状乾癬では、感染症に対する抗菌薬の服用が治療の中心です。多くの場合、抗菌薬の服用によって数か月程度で治癒します。乾癬のほかの病型では軽快と増悪を繰り返しますが、滴状乾癬の予後は非常によく、治療によって永続的な治癒が期待できます。

一方、副鼻腔炎(ふくびくうえん)などの炎症による滴状乾癬や原因菌の分からない感染症による滴状乾癬の場合、抗菌薬の服用では治癒が期待できないこともあります。このような場合は外用薬(塗り薬)の処方や光線療法が検討されます。

外用薬としては、尋常性乾癬でよく用いられるステロイド外用薬やビタミンD3外用薬などが検討されます。また光線療法とは、病変部分に紫外線をあてて乾癬の症状を改善する治療方法です。

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