とくはつせいかんしつせいはいえん

特発性間質性肺炎

肺

目次

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概要

特発性間質性肺炎とは、肺の構成成分である「間質」と呼ばれる部分に炎症が発症することから生じる病気の一つを指します。間質性肺炎を起こす病気としては、関節リウマチを代表とする膠原病やじん肺、薬剤、感染症などがありますが、特発性間質性肺炎ではこうした明らかな原因を特定できないものを指します。

特発性間質性肺炎は、もっとも頻度が高く予後も不良である「特発性肺線維症」を初めとして、主要なもののなかには6種類の疾患が含まれています。日本においては難病指定を受けている疾患です。

特発性間質性肺炎では、運動をすると呼吸困難を生じやすく、咳などの症状から始まります。病気のタイプによっては症状が軽く、病院を受診していない方も多くいらっしゃることが推定されています。その一方、特に特発性肺線維症は長期予後が非常に悪いことも知られており、積極的な治療介入を行っても呼吸不全に至ることもある病気です。

原因

肺に取り込まれた空気は「肺胞」と呼ばれる部分に運ばれますが、肺胞を構成する壁を「間質」と呼びます。肺が呼吸機能を果たすためには、肺は適切に膨らんだりしぼんだりする必要があります。

しかし特発性間質性肺炎になると、間質に炎症や損傷が生じてしまい、「線維化」と呼ばれる反応を起こした結果、壁が厚く硬くなります。厚く硬くなった壁は容易に膨らますことはできなくなり、より大きな力を持ってして膨らませる必要が出てきて、うまく酸素を取り込むことができなくなってしまいます。

特発性間質性肺炎は間質に傷や炎症が生じることがきっかけとなって肺損傷が進行しますが、直接的な原因は明らかになっておらず、遺伝因子と環境因子が複雑に関与しあっていると想定されています。なかでも環境因子として重要なのは喫煙であり、喫煙習慣があると肺への障害が繰り返されることになります。

症状

特発性間質性肺炎では、呼吸機能の増悪を徐々に認めることが多く、病初期には症状を自覚しないこともあります。肺の損傷が進行すると、乾いた咳や「労作時呼吸困難」と呼ばれる症状を認めるようになります。労作時呼吸困難とは、普段安静にしているときには呼吸困難は自覚せずとも、階段を上る、坂道を上がる、などの動作に関連して息苦しさを自覚することです。特発性間質性肺炎では、数日から1か月の経過で突然呼吸症状が増悪する「急性増悪」をみることもあります。

検査・診断

特発性間質性肺炎では、胸部単純レントゲン写真を診断の第一歩として行います。その後より詳細に肺障害の様相を評価するために、CT検査が行われます。また血液検査では肺障害と共に高値を示すKL-6やSP-D、SP-A、LDHといった項目を検討します。

特発性間質性肺炎では、血液ガス検査で低酸素血症の状況をみたり、呼吸機能検査を行って肺が硬くなっている状況を確認したりします。また間質壁が厚くなると、ガスがうまく浸透しなくなる「拡散障害」をみるようになります。

さらに特殊な検査として、気管支鏡を用いて気管支液を回収し他の疾患との鑑別を行うことがあります。また最終的な病型を診断するには、肺の組織を採取して顕微鏡で確認する病理検査が重要です。肺の組織の採取方法としては、気管支鏡や外科的な切除などがあります。しかしながら、肺の組織をとるというのは患者さんに対しての侵襲性が高い側面もあるため、その他の検査である程度診断がついている場合や患者さんの状態から検査が難しい状況などにおいては、肺生検の検査を行わずに経過をみることもあります。

治療

特発性間質性肺炎にはさまざまな種類の疾患が含まれており、病型によって治療経過や治療に対する反応性は異なってきます。特発性間質性肺炎において使用することが検討される薬剤としては、ステロイドや免疫抑制剤(アザチオプリンやシクロホスファミド、シクロスポリンなど)があります。

特発性間質性肺炎のなかでも、もっとも頻度の高い特発性肺線維症でもステロイドや免疫抑制剤は使用されることがありますが、治療反応性は乏しいことが多いです。病状が進行すると呼吸不全が強くなるため、在宅酸素療法といった治療方法が選択されることになります。また、呼吸リハビリテーションを行い、呼吸困難を改善させたりQOLを向上させたりすることを期待します。

呼吸不全が強い場合には、上記のような内科的な治療方法では改善を見込むことができないこともあります。その場合においては、肺移植が検討されることもあります。

特発性間質性肺炎では、もともとの呼吸機能が低下している状態です。この状況でインフルエンザウイルスや肺炎球菌などによる呼吸器感染症にかかると、よりいっそう呼吸状態が増悪することになります。そのため手洗い・うがいや、マスクの着用を行うことはもちろんのこと、ワクチンを接種して感染症予防を徹底することが大切です。

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