とくはつせいかんしつせいはいえん

特発性間質性肺炎

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概要

特発性間質性肺炎とは、肺の構成成分である間質と呼ばれる部分に炎症が発症することから生じる病気のひとつを指します。特発性間質性肺炎は、明らかな原因を特定することができずに病気の発症に至ります。

特発性間質性肺炎は、日本においては難病指定を受けた病気の一つです。難病指定を受けた特発性間質性肺炎は、ステロイドや酸素などを用いた治療が行われます。

病気が進行すると普段から息切れを感じることもあり、通常の日常生活を送ることが難しくなります。

原因

特発性間質性肺炎の原因は、これまでのところ明らかにされていません(2019年6月時点)。肺の中でも間質に炎症が引き起こされる状態は、関節リウマチじん肺、過敏性肺臓炎、薬剤などによって引き起こされることがあります。しかし、特発性間質性肺炎ではこうした明らかな原因を同定することができません。

直接的な原因が明らかではない特発性間質性肺炎ですが、遺伝的要因や環境要因などが複雑に関与していることが推定されています。なかでも、習慣的に喫煙をする方では、特発性間質性肺炎の発症リスクが高まると考えられています。

特発性間質性肺炎を発症すると、肺の組織が著しく障害を受ける可能性があります。健康な肺は、呼吸に伴って風船のように膨らんだりしぼんだりしますが、肺の組織が障害されることで肺の弾力性が損なわれてしまい、特発性間質性肺炎の発症に至ると考えられています。

症状

特発性間質性肺炎では、多くの場合には初期の段階では特別な症状を現すことはありません。病状の進行に伴い、咳が慢性的にみられるようになります。この際、(たん)が絡まないことは特発性間質性肺炎の症状の特徴といえます。

また、肺の組織損傷が一定以上に進行すると、息切れの症状がみられるようになります。息切れの症状は安静にしているときにはみられにくいですが、歩く、階段を上るなどの動作に伴って症状が現れやすくなります。

さらに病状が進行すると、運動時のみならず、安静にしているときにも息苦しさがみられることもあります。特発性間質性肺炎の進行様式は患者さんによってさまざまであり、最悪の場合は命にかかわることも懸念されます。

検査・診断

特発性間質性肺炎では、肺のレントゲン写真やCT検査といった画像検査を行うことで、肺に損傷が生じている状態を確認します。また、血液検査にてKL-6やSP-D、SP-A、LDHといった項目を確認し、肺の組織が壊れている状態を判断します。

特発性間質性肺炎で肺の組織が損傷を受けると、肺の機能が低下します。肺の機能を確認することを目的として呼吸機能検査も行われます。酸素化の程度を評価するために、血液ガスと呼ばれる検査も行われます。さらに、特発性間質性肺炎では気管支鏡や肺生検などの検査も検討されます。

上記のような検査を行うことで、原因疾患が存在していないかどうか、特発性間質性肺炎に矛盾しない状態であるかなどを判断し、最終的に特発性間質性肺炎の診断を行います。

治療

特発性間質性肺炎は、患者さんの病状にあわせた治療介入が検討されます。病態によっては、ステロイドや免疫抑制剤を用いることで、肺の組織状態に対応することが検討されます。

また、抗線維化薬が使用されることもあります。そのほか、肺における酸素の取り込みを促進させるための呼吸リハビリテーションが行われることがあります。

ただし、治療に対する反応性は患者さんによって異なり、なかには病状の進行を抑えることができないこともあります。日常生活を送ることが難しいほどの呼吸障害を現す場合もあり、在宅酸素療法が適応になることもあります。さらに、肺移植の適応が検討されることもあります。

特発性間質性肺炎は、基盤となる呼吸機能が低下しています。インフルエンザに代表される呼吸器感染症をきっかけとして、呼吸症状がさらに悪化することもあります。そのため、手洗いやうがい、ワクチン接種など、一般的な感染症予防策を講じることも大切です。

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