はんこんせいだつもうしょう

瘢痕性脱毛症

最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

瘢痕性脱毛症とは、皮膚に瘢痕が生じることを原因として生じる脱毛症のことです。皮膚に瘢痕が形成されると、毛を産生するのに重要な「毛包」と呼ばれる部分も同時に障害を受けることになり、髪の毛の再生ができなくなってしまいます。

瘢痕性脱毛は、外傷や熱傷、がん膠原病強皮症など)、感染症、化学物質などを原因として発症することがあります。

原因

瘢痕性脱毛は、外傷や熱傷、がん膠原病強皮症など)、感染症、化学物質などを原因として発症します。これらは続発性の瘢痕性脱毛症として知られていますが、このほかに原発性瘢痕性脱毛症と呼ばれるものも存在します。

皮膚には「毛包」と呼ばれる部分があり、この部分に存在する細胞が正常に増殖することが髪の毛の再生につながります。皮膚が瘢痕化すると、これら髪の毛の再生に重要な細胞が著しく障害を受けてしまい、髪の毛が不可逆的に生えないようになってしまいます。このような過程で発症するのが、瘢痕性脱毛症です。

症状

瘢痕性脱毛症では髪の毛が失われることになりますが、同部位に一致して皮膚の赤みやかさぶたの付着、色素沈着や脱色などの変化を伴うこともあります。髪の毛が失われる範囲もさまざまであり、広範囲に失われることもあれば、線状に髪の毛が喪失したり、部分部分が飛び地的に失われることもあります。

瘢痕性脱毛症でどのような皮膚変化を伴うか、どのような範囲で髪の毛が失われるか、については原因となっている状況に応じて大きく異なります。

検査・診断

瘢痕性脱毛症では、脱毛が生じている部位を正確に評価することが重要です。類似した疾患として、代表的には円形脱毛症を挙げることができますが、両者を正確に区別するためにも皮膚の一部を採取する皮膚生検を受けることもあります。皮膚生検の病理組織検査で得られた情報を通して、どのようなタイプの瘢痕性脱毛症であるかどうかをより正確に判定することも可能となります。

また、瘢痕性脱毛症は何かしらの基礎疾患を原因として発症していることもあります。これら基礎疾患を評価するために、血液検査や培養検査などを検討することもあります。実際にどのような検査を行うかは、脱毛部位のみならず、全身状態を含めて評価することで決定されます。

治療

続発性の瘢痕性脱毛症では、原因となっているものに対する治療を検討します。たとえば強皮症が原因である場合にはステロイドなどを用いた治療を、がんが原因であれば摘出術などを考慮します。

原発性の瘢痕性脱毛症に対しては、ステロイドの局所注射や内服治療を中心に行うことになります。

一度生じた脱毛部位は、髪の毛の再生が期待できなくなってしまいますが、狭い範囲であれば手術で脱毛部位を切除することが可能です。その他にも、カツラの着用、髪型の工夫などが考慮されます。

瘢痕性脱毛症では、早期に治療を行うことで脱毛の範囲を狭めることができるため、より早期に専門の医療機関を受診して治療につなげることが重要です。

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