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がんけんしゅよう

眼瞼腫瘍

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

まぶた(眼瞼(がんけん))にできる塊状のできもの(腫瘤)のことを眼瞼腫瘍といいます。腫瘍には良性のものと悪性のものとがあります。悪性腫瘍が癌であり、腫瘍=癌ではありません。

良性、悪性ともにさまざまな種類の腫瘍がありますが、日本では、良性では母斑、霰粒腫(さんりゅうしゅ)脂漏性角化症が代表的です。悪性では、基底細胞癌、脂腺癌、扁平上皮癌の順に多く、この3つで悪性眼瞼腫瘍の大部分(8~9割)を占めます。

原因

腫瘍とは、もともと人体を構成している種々の細胞が、過剰に増殖してできる組織塊のことです。腫瘍発生にはさまざまな要因の関与が考えられており、本当の原因はわかっていません。

良性眼瞼腫瘍

  • 母斑(色素性母斑):母斑細胞という色素系の細胞の異常増殖によるもので、小さなものは俗にいうホクロです。
  • 霰粒腫:瞼にある脂を出す腺であるマイボーム腺の出口が詰まって、中に粥状のものが溜まります。貯留したものに対して慢性的な炎症が起きた結果、肉芽腫という塊ができる病気です。
  • 脂漏性角化症:老人性疣贅(ゆうぜい)ともいわれ、いわゆる老化によって生じるイボです。

悪性眼瞼腫瘍

  • 基底細胞癌:皮膚の基底細胞に似た細胞からなる腫瘍であり、眼瞼を含めた顔面が好発部位です。紫外線などの外的刺激の影響ともいわれています。
  • 脂腺癌:マイボーム腺を代表とする脂を出す腺から発生します。
  • 扁平上皮癌:まぶたの皮膚由来のものと、まぶたの裏側の瞼結膜由来のものとがあり、皮膚科では有棘細胞癌といわれるものです。

症状

多くの方は、「まぶたにできものがある」ということを主訴に受診します。大きくなった腫瘍が視界にかぶさって前が見えづらい、塊状になった腫瘍が目に当たってゴロゴロするといった症状をみます。
 

検査・診断

眼瞼腫瘍の診断には、見た目が非常に重要であるため、視診で腫瘍の大きさや表面の性状を観察します。眼科では、細隙灯顕微鏡という顔を乗せる診察機器を用いて病変を拡大し、まぶたの裏側も含めて詳細に観察します。眼瞼腫瘍では腫瘍の色調が非常に参考となり、霰粒腫や脂腺癌では黄色調を、色素性母斑や基底細胞癌は茶色~黒色調を呈します。

一般的に悪性のものは、形が不整に隆起して、表面に凹凸や出血、潰瘍を伴っていることが多いです。また、まぶたの縁に発生した場合には、睫毛が脱落します。しかし、悪性のものがすべてこれらの特徴を呈しているわけではなく、例外があるため注意が必要です。

良性、悪性のいずれが疑われても、しっかりと写真で記録を残し、経時的な変化を観察する必要があります。手術で切除後に追加治療が必要となった場合にも、切除前の腫瘍の位置を正確に把握しておくことが重要となります。

眼瞼腫瘍が深部へと及んでいる可能性がある場合には、その深達度を調べるためにMRIなどの画像検査を行います。また、脂腺癌などの悪性度の高い腫瘍の場合、PET-CTなどを用いて転移の有無を確認する必要があります。

治療

腫瘍の見た目で予測される種類と位置、サイズによって治療方針を決めます。

良性が疑われる場合

腫瘍の発生部位に応じた手術を行います。まぶたの縁に塊状に盛り上がっている良性腫瘍(母斑などが多い)では、まぶたのラインに沿って腫瘍をそぎ落として、傷口はそのまま自然治癒するのを待ちます(シェービング切除)。まぶたの縁から離れたものは、腫瘍のみを必要最小限の範囲で切除して、周囲の皮膚を縫い寄せます。腫瘍が大きい場合には、切除後の皮膚を縫い寄せられないため、周囲の組織を移動させて欠損した皮膚を覆います(皮弁)。

悪性が疑われる場合

はじめから一回ですべてを取りきる(全摘出)場合と、まずは腫瘍の種類を調べるために一部のみを取り(生検)病理組織学的検査で診断を確定した後に、改めて全摘出やその他の治療を計画する場合とがあります。悪性腫瘍は一見正常にみえる周囲組織にも腫瘍細胞が浸潤している可能性があるため、腫瘍の端から一定の距離(安全域)を置いて切除します。安全域の長さは、腫瘍の悪性度に応じて決めます。切除した断端に悪性細胞が残っていないか病理組織学的に確認する必要があり、手術中に迅速病理診断を行います。

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