しろうせいかっかしょう

脂漏性角化症

別名:老人性疣贅
皮膚

目次

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概要

紫外線や加齢に伴って生じる皮膚の良性腫瘍で、いわゆる老化による「いぼ」のひとつです。「老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)」と呼称される場合もあります。

単発・多発ともにあり、茶~黒色調で表面がカサカサした隆起性病変です。特に中高年の方の顔、首、体にできることが多いです。良性であるため、必ずしも取り除く必要はありません。取り除く場合の方法としては、手術、凍結療法、炭酸ガスレーザーが有効です。

原因

紫外線や加齢による皮膚の老化が原因と考えられており、中高年に好発します 。 数が急に増えて、かゆみを生じる場合は、レーザートレラー症候群(Leser-Trelat syndrome)といい、内臓のがんと関連した症状であることがあります。

症状

顔面や頭部、体幹などに、はじめは平らなしみとして現れ、徐々に盛り上がってきます。通常大きさは2cmくらいまでで、色調は茶色から黒褐色までさまざまですが、なかには無色素性の(色のない)ものもみられます。表面はカサカサ(角化)しています。自然消退はなく、加齢とともに数が増えていきます。

検査・診断

通常は、経験のある医師の診察で診断されます。有棘細胞がんやメラノーマなどの皮膚がんの初期病変は脂漏性角化症に似ていることもあり、見た目では区別がつきにくいことがあります。

より正確な診断にはダーモスコピーが有効です。ダーモスコピーとは、病変部に超音波検査用のジェルを塗布してから、ダーモスコープという特殊な拡大鏡を皮膚面に当て、皮膚に分布するメラニン色素や毛細血管の状態を調べる検査です。皮膚の性状を観察するだけなので、痛みは伴いません。皮膚科専門のクリニック・病院にて対応可能です。

悪性の可能性がある場合は、病変の一部(生検とよばれます)または全体を切除して、顕微鏡による検査(病理組織検査)を行います。また、脂漏性角化症の数が急に増える場合は、レーザートレラー症候群といい、内臓のがんと関連している可能性があるため、がんの検査が望ましいでしょう。

治療

前癌病変ではなく、必ずしも治療を必要とする疾患ではありませんが、美容上の問題やほかの悪性疾患との鑑別が必要なときは治療を検討します。大きさや部位によって手術、凍結療法、炭酸ガスレーザーによる治療が行われますが、多くの場合は、診察にて行われる凍結療法で完治します。手術の場合、局所麻酔の注射をして腫瘍を切り取り、必要に応じて縫い閉じます。

病院やクリニックでレーザーの設備があるところでは、炭酸ガスレーザーを当てて削り取る治療も可能です。

凍結療法:液体窒素(温度:マイナス196.8℃)を綿棒にしみこませて病変部にあて細胞を凍結させる治療です。準備不要で出血もありませんが、取り除くまでには通常数回の治療が必要になります。