治療
硬膜動静脈瘻は、脳内の静脈への血液の逆流がない場合は特別な治療をせずに定期的な経過観察が行われることもあります。しかし、逆流がある場合には放っておくと1年間に数%以上の確立で脳内出血を起こすとされているため、治療が必要になります。
主な治療法には以下の3つがあります。
カテーテル治療
血管内にカテーテル(医療用の細い管)を挿入して硬膜動静脈瘻の病変部まで至らせ、異常な血管に特殊な液体塞栓物質(オニキス、NBCA)やコイルを挿入して閉塞させる治療法です。
体への負担は手術より少ないですが、脳梗塞などカテーテル治療に伴う合併症のリスクがあります。
手術
頭皮と頭蓋骨の一部を開いて、異常な血管の血流を遮断するための手術を行う治療です。
近年ではカテーテル治療の技術が進歩したため、このような開頭手術を行うケースは減少しています。また、手術で根治できる病変の部位は限られています。
放射線治療
異常な血管が生じた部位に高線量の放射線を照射するガンマナイフやサイバーナイフなどの特殊な放射線治療を行うことがあります。治療完了まで2~3年ほどかかることがあるうえ根治性に劣るため、補助的な治療として用いられます。
また、脳浮腫や悪性脳腫瘍の発生など、長期的な合併症の発症が問題となることがあります。
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