原因
自分の意志で手を握ったり目を閉じたり、座った体勢から立ち上がったりする際には、筋肉が適切に伸び縮み(収縮や弛緩)することが必要です。筋肉が適切に収縮・弛緩するためには、ナトリウムイオンや塩化物イオン、カルシウムイオンなどさまざまな電解質が適切に調整される必要があります。電解質のバランスが細胞内外で保たれるためには、イオンチャネルと呼ばれるタンパク質が重要な役割を果たします。
筋緊張は、このイオンチャンネルに異常が生じ筋肉の収縮・弛緩がうまく調整できなくなることが原因で起こります。たとえば、先天性筋強直症はCLCN1と呼ばれる遺伝子異常を原因としており、塩化物イオンを調整するイオンチャンネルに障害が生じます。また、同じくイオンチャネルに関連した病気として先天性パラミオトニーがあります。
そのほかにも、細胞内のタンパク質に関連して筋緊張の症状が現れる疾患も知られています。具体的には、筋強直性ジストロフィーであり成人に発症するタイプのものとしてはもっとも多いものです。
筋緊張を症状とする病気は、常染色体優性遺伝や常染色体劣性遺伝と呼ばれる遺伝形式をとるものあります。ただし、こうした遺伝形式を示さない場合でも、病気を有することはあります。
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