きんきんちょうしょう

筋緊張症

別名
筋強直症,ミオトニー
最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

筋緊張症とは、筋緊張を示す病気である先天性筋強直症、筋強直性ジストロフィー、先天性パラミオトニーなどを指します。筋強直症やミオトニーと呼ばれることもあります。

ものを握ったり目をぎゅっと閉じたりする際には、筋肉が収縮をしています。筋緊張とは、筋肉を収縮させた後、すぐに筋肉を弛緩(しかん:緊張をほぐし、緩める)ことができない状態のことです。

原因

自分の意志で手を握ったり目を閉じたり、座った体勢から立ち上がったりする際には、筋肉が適切に伸び縮み(収縮や弛緩)することが必要です。筋肉が適切に収縮・弛緩するためには、ナトリウムイオンや塩化物イオン、カルシウムイオンなどさまざまな電解質が適切に調整される必要があります。電解質のバランスが細胞内外で保たれるためには、イオンチャネルと呼ばれるタンパク質が重要な役割を果たします。

筋緊張は、このイオンチャンネルに異常が生じ筋肉の収縮・弛緩がうまく調整できなくなることが原因で起こります。たとえば、先天性筋強直症はCLCN1と呼ばれる遺伝子異常を原因としており、塩化物イオンを調整するイオンチャンネルに障害が生じます。また、同じくイオンチャネルに関連した病気として先天性パラミオトニーがあります。

そのほかにも、細胞内のタンパク質に関連して筋緊張の症状が現れる疾患も知られています。具体的には、筋強直性ジストロフィーであり成人に発症するタイプのものとしてはもっとも多いものです。

筋緊張を症状とする病気は、常染色体優性遺伝や常染色体劣性遺伝と呼ばれる遺伝形式をとるものあります。ただし、こうした遺伝形式を示さない場合でも、病気を有することはあります。

症状

筋肉が収縮した後にうまく弛緩できずに時間がかかってしまうことがあります。
たとえば、

  • バスのつり革を握った後、うまくつり革を離すことができずにずっと握り続けてしまう
  • 座った状態からスムーズに立ち上がることができない
  • 目を閉じた後にすぐに開くことができない
  • スムーズに歩き出せない

など

これら症状は、原因となる病気によって発症年齢が異なります。小児期に発症するとうまく症状を表現できないこともあるため、周りの人が筋緊張との関連性を理解することが重要です。

筋緊張は疾患に応じて、筋肉の減少につながることもあれば、逆に筋肉が増えることもあります。前者の場合は筋強直性ジストロフィーでみられ、後者は先天性筋強直症、先天性パラミオトニーでみられます。また、筋強直性ジストロフィーでは、筋肉に関連した症状以外にも、全身各所に症状が現れることも特徴です。たとえば、不整脈白内障・認知機能障害・内分泌異常・糖尿病・脱毛など多彩な合併症が現れる可能性があります。

検査・診断

特徴的な症状・家族歴などから病気が疑われます。実際には、症状がどのような状況で出やすいか(寒い状況で出やすい、カリウムの多い食事をとると出やすいなど)、何歳頃から出ているのか、筋肉以外の合併症がないか、などをもとにして、どの病気の可能性が高いかを検討します。また、症状を客観的に評価するために、筋電図検査を行います。

そのほかにも、遺伝子異常が原因となり発症する病気であるため、原因となる遺伝子異常を確認するために、血液を用いた遺伝子検査も行います。

治療

根治的な治療方法は存在せず、対症療法(症状に対する治療)が主体です。筋強直が現れやすい状況を予測して、症状が悪化する因子がある場合には極力避ける努力が必要です。また、筋強直性ジストロフィーでは筋力低下を徐々に伴うため、装具の利用も検討します。

筋緊張を示す病気は、麻酔薬に関連して悪性高熱と呼ばれる重い合併症を発症することがあります。そのため、原因となり得る麻酔薬を使用しないためにも、自身が病気を抱えていることや家族歴(患者の家族や近親者の病歴や健康状態、死因などの記録)があることを医師に伝えることは重要です。

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