症状
肺動静脈瘻は、程度に応じて出現する症状が異なります。軽度のものでは無症状のまま経過し、健康診断などでレントゲン写真を撮影した際に疑われることがあります。また、先天性疾患である遺伝性出血性末梢血管拡張症であっても、肺に関連した症状が幼少期から出るとは限らず、成人になってから病気が明らかになることも少なくはありません。
肺動静脈瘻は異常血管であり、高い圧力が静脈にかかりやすいため出血を起こしやすくなります。そのため、血液まじりの痰がみられることがあります。肺動静脈瘻の分布が広い場合には、血液の酸素化が不十分になってしまい、チアノーゼ(全身の色や顔色が悪くなり、特に指先や唇などが紫色になる状態)や運動時の易疲労感、全身倦怠感、呼吸困難などにつながります。また、心臓に負担がかかりやすいため、心不全がみられることもあります。
そのほかに注意すべきものとして、脳梗塞や脳膿瘍があります。肺動静脈瘻は毛細血管による異物のフィルター機能が損なわれている病気であるため、細菌や血栓などがダイレクトに脳へと運ばれてしまう危険性があります。この場合に脳梗塞や脳膿瘍が引き起こされることとなり、手足の麻痺、感覚障害、けいれん、意識障害などの重篤な症状が現れます。
医師の方へ
「肺動静脈瘻」を登録すると、新着の情報をお知らせします