のうのうよう

脳膿瘍

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

脳膿瘍(のうのうよう)とは、細菌などの感染がもとになって、脳内にが溜まる病気のことです。耳や鼻の病気、頭部の外傷など、脳と隣接する炎症病変から広がることが多いとされます。また、心臓や肺の感染病変が血液にのって脳に到達することもあります。

溜まった膿により脳が圧迫され、膿瘍が形成された部位によってさまざまな症状が現れます。

原因

感染の原因菌は連鎖球菌や黄色ブドウ球菌が多いといわれ ています。脳内への直接感染と血行性感染の2つがあります。

直接感染

中耳炎副鼻腔炎など、脳に隣接する部位の感染や、頭部外傷によって起こります。中耳炎は側頭葉や小脳、副鼻腔炎は前頭葉に波及しやすい傾向があります。また、上顎歯の虫歯が原因となることもあります。外傷では、頭蓋骨の開放骨折が原因となります。

血行性感染

体内にある何らかの感染巣の菌が血液にのって脳内まで届き、瘍を形成します。

特に感染性心内膜炎や肺膿瘍、膿胸気管支拡張症など、血液が直接左心系に流れ込む病気を原因として、脳膿瘍が生じやすくなります。

また、チアノーゼを起こすような先天性心疾患が原因となることもあります。

症状

感染による発熱が生じますが、軽度な場合が多いです。

脳内にの塊ができることで脳の実質が圧迫され、けいれんが起こったり、脳膿瘍が形成された部位に沿った神経症状が現れたりすることがあります。

膿瘍が大きくなって脳圧が高くなると、頭痛や吐き気、視覚異常などが現れることもあります。

検査・診断

画像検査

脳膿瘍は、CTとMRIによる画像検査で診断することができます。造影剤を用いたCT検査を行うと、瘍周辺がリング状に濃く映ることが特徴です。ただし、転移性脳腫瘍でも同の画像所見がみられるため、区別するためにMRI検査が必要です。MRI検査では、拡散強調画像で高信号域になることが特徴です。

確定診断のための検査

確定診断を行うためには、膿瘍の内容物や膿瘍を形成している殻の部分を採取し、検査で原因菌や炎症細胞が存在することを確かめる必要があります。

その他の検査

また、全身状態を把握するために血液検査で炎症所見を調べたり、膿瘍の広がりを調べるために脳脊髄液の検査を行ったりすることがあります。膿瘍が脳の実質を超えて、脳脊髄液が流れる髄液腔を突き破ると、脳脊髄液の多形核球が増加し、糖が減少する所見がみられます。

その他、血行性感染が疑われる場合には心臓超音波検査や全身のCT検査を行い、原因と考えられる病気を調べます。

治療

治療は、脳膿瘍の大きさや位置、全身状態の重症度によって決められます。

抗菌薬の投与

初期の段階では、抗菌薬を大量に使用する治療が行われます。脳脊髄液への移行がよいといわれているセフェム系とペニシリン系が併用されることがありますが、原因菌が特定されている場合には、適した抗菌薬が使用されます。

外科的切除

瘍は形成されてから2週間ほどで殻のような被膜を作ります。この被膜が画像上で確認された場合には、被膜ごと膿瘍を摘出する手術を行います。

被膜が形成されていない段階では、手術で摘出しようとすると膿が脳内に広がるリスクがあるため、針を刺して膿を吸引し、抗菌薬を注入する治療が行われます。

全身状態の改善

脳膿瘍によって脳圧が高くなったときには、濃グリセリンやステロイドなどで脳圧を下げる治療を行います。また、けいれんが起きているときには抗けいれん薬が使用されます。

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