はいこうさんきゅうせいにくげしゅしょう

肺好酸球性肉芽腫症

別名
肺ランゲルハンス細胞組織球症,肺ヒスチオサイトーシスX,肺ランゲルハンス細胞肉芽腫症
最終更新日:
2018年08月02日
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2018/08/02
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概要

肺好酸球性肉芽腫症とは、ランゲルハンス細胞と呼ばれる細胞が、肺において異常に増殖する病気です。肺ランゲルハンス細胞組織球症、肺ヒスチオサイトーシスX、肺ランゲルハンス細胞肉芽腫症などとも呼ばれることがある病気です。

肺好酸球性肉芽腫症は、まれな疾患ですが、20~40歳代の成人に発症することが多く、女性のほうがやや発症年齢が高いことが知られています。

原因

肺好酸球性肉芽腫症の原因は、完全には明らかになっていません。

肺好酸球性肉芽腫症では、ランゲルハンス細胞と呼ばれる免疫にかかわる細胞が、肺において異常に増殖してしまいます。そのため、免疫系の異常が病気の発症に関与していることも考えられています。

また、肺好酸球性肉芽腫症は、喫煙との関連性が指摘されることもあります。喫煙習慣がある方には、肺好酸球性肉芽腫症でみられる特徴的な免疫異常が誘導されやすい可能性が指摘されています。

症状

肺好酸球性肉芽腫症は、無症状の状況で発見されることも多いですが、発熱や体重減少、全身倦怠感などの症状から病気が発見されることもあります。

また、肺好酸球性肉芽腫症の病変は肺に生じるため、呼吸器症状が前面に出ることもあります。具体的には、慢性的な咳や、息苦しさが挙げられます。その他、気胸も生じやすく、それに関連した胸の痛みが出現することもあります。

肺好酸球性肉芽腫症では、合併症に関連した症状が出現することもあります。たとえば、肺高血圧の合併により、進行性に呼吸機能が低下して非常に強い呼吸困難を呈することがあります。また、ホジキン病などの腫瘍性疾患を合併したり、尿崩症(大量の尿がみられる疾患)や病的骨折(軽微な外力で骨が折れる状態)を生じたりすることがあります。

検査・診断

肺好酸球性肉芽腫症は、無症状の状態で、健康診断や別の理由で撮影された胸部単純レントゲン写真などの画像検査において異常陰影を指摘されて病気の存在が疑われることがあります。

また、肺好酸球性肉芽腫症が疑われる際は、上記の胸部単純レントゲン写真のほかに、胸部CT、PETなどといった画像検査が行われます。その他、気管支の洗浄液を用いてランゲルハンス細胞の増殖を確認することもありますし、病変の一部を採取して病気に特徴的な組織学的変化を確認することもあります。

治療

肺好酸球性肉芽腫症は、喫煙に関連して発症することが多いです。喫煙習慣を改めることで疾患進行の抑制が期待できるため、禁煙を行うことはとても重要です。

肺好酸球性肉芽腫症では、ステロイドを始めとした薬剤が使用されることもありますが、有効性については確立されていません。

呼吸機能の障害が著しい場合には、肺移植を含めた積極的な治療が検討されます。骨病変の合併が見られる場合には、放射線を用いた治療も行われることがあります。

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