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編集部記事

脂肪腫は何が原因で発生するの?~脂肪腫ができやすい・多発しやすい人の特徴とは~

脂肪腫は何が原因で発生するの?~脂肪腫ができやすい・多発しやすい人の特徴とは~
江藤 隆史 先生

あたご皮フ科 副院長

江藤 隆史 先生

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脂肪腫(しぼうしゅ)(リポーマ)とは脂肪組織からなる良性の腫瘍(しゅよう)です。脂肪・筋肉・血管など柔らかい部位にできる“軟部良性腫瘍”の中ではもっとも頻度が高い病気です。好発年齢は40~60歳代で、男性より女性に多いといわれています。脂肪腫は体のどこにでも発生する可能性があり、腫瘍の多くは触ると柔らかく押すと皮膚のなかで柔軟に動きます。一般的に痛みはないとされていますが、押すと痛みが生じるケースもあります。

では、脂肪腫はどのようなメカニズムで発症するのでしょうか。本記事では、脂肪腫原因や発症の特徴についてお伝えします。

脂肪腫が発生する原因やメカニズムは、まだ分かっていません。何らかの理由で脂肪細胞が増殖して腫瘍になると考えられています。

脂肪腫を詳しく検査すると染色体異常がみられるケースもあることから、遺伝子と関与している可能性が考えられています。また、脂肪腫が発生するリスクを高める要因として生まれつきの性質などのほか、ストレスや肥満、喫煙、患部への持続的な刺激などの生活習慣が関与しているともいわれています。しかし、これらは今のところ明確な根拠はなく、リスクとなる生活習慣を一概に述べることはできません。

脂肪腫の発生は一箇所にとどまる場合もあれば、さまざまな箇所に複数発生することもあります。

多くの場合は単発性で一箇所にのみ発生しますが、まれに体質的に脂肪腫が多発しやすいという人もおり、一度できると他の場所にも脂肪腫が発生することがあります。このように脂肪腫が複数できる病気のことを“多発性脂肪腫”とも呼びます。

脂肪腫が特にできやすい部位としては背中や太もものほか、腕や首などが挙げられますが、まれに腸や肝臓などの臓器や舌などに生じることもあります。

脂肪腫ができやすい人・多発しやすい人の特徴は具体的にはまだ分かっていません。

ただし、多発性脂肪腫の1つである“対称性多発性脂肪腫症”と呼ばれる病気は、アルコール摂取量が多く、肝機能障害のある男性の罹患率が高いと考えられています。また、遺伝によって脂肪腫ができやすい人や多発しやすい人がいると考えられています。

脂肪腫は良性の腫瘍であるため、生活に支障がなく特に邪魔にならないようであれば治療する必要はありません。しかし、摘出しない限り自然になくなることもありません。そのため、腫瘍が大きい場合や徐々に大きくなっている場合などは、腫瘍の部位によって体に不快感が生じることもあるほか、見た目の問題が生じることもあるため必要に応じて手術治療による摘出が行われます。

また、脂肪腫は、脂肪や筋肉、血管など柔らかい組織にできる“軟部腫瘍”といいます。脂肪腫など良性の腫瘍であれば治療が不要なケースもありますが、軟部腫瘍のなかには悪性の腫瘍(がん)も含まれ、がんであった場合には早急に治療が必要になることもあります。

脂肪腫は今のところ詳しい原因が分かっていません。そのため、生活習慣などからかかりやすさを推定することも難しく予防も困難といえます。

今までになかった膨らみが生じている場合や、その膨らみが徐々に大きくなっている場合などは病気の鑑別のためにも病院の受診を検討しましょう。受診する診療科は、整形外科・形成外科・皮膚科などがよいでしょう。

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