症状
脱水症の症状は失われる水分の割合によって変化します。
全体重の2%ほどの水分が失われた場合、喉の渇きを自覚するようになります。さらに水分が失われると食欲不振や疲れなどが生じ、5%にまで及ぶと頭痛や吐き気、たちくらみ、ふらつきがみられ、10%に至るとけいれんや失神などの症状が現れます。また、体温の上昇や尿量の減少・濃縮も現れるようになり、20%の水分が失われると尿が完全に出なくなって命に関わります。
なお、詳しい症状は脱水の原因によって異なります。
下痢や嘔吐、出血などが原因の場合
水分のほかに大量の電解質(カリウム、ナトリウム、マグネシウムなどのミネラル)が失われるため、血液の浸透圧が低下して細胞内へ水分が移動しやすくなります。その結果、喉の渇きや皮膚・粘膜乾燥などの自覚症状が少なく、気付かないうちに脱水がさらに進み倦怠感などの症状が現れます。また血液量が減るため、それに伴って血圧の低下や頻脈(脈が早くなる)、手足の末端が冷たくなるといった症状が生じるのも特徴です。
水分の摂取不足や多量の発汗などが原因の場合
電解質よりも主に水分が失われて血液の濃度が濃くなるため、血管内側に水分が多く移動します。その結果、一つひとつの細胞内の水分量が減少するため、喉の渇きや皮膚・粘膜の乾燥が著明に現れます。しかし、血液量は維持されているため、血圧が下がったり脈が早くなったりするなどの変化は生じにくいのが特徴です。
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