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だっすいしょう

脱水症

同義語
脱水
俗称/その他
脱水症状
最終更新日
2021年04月23日
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2021/04/23
更新しました

概要

脱水症とは、体内の水分が不足した状態に陥る病気のことです。ヒトの体は全体重の60~70%、乳幼児では80%が水分で占められています。これらの水分は“体液”と呼ばれますが、全体液の3分の2は細胞の中に存在し、残りの3分の1は血液や間質液(組織において細胞を浸す液体)として細胞の外に存在しています。脱水症はその原因によって細胞外、細胞内どちらかの水分が失われるのかが異なります。

また、脱水症は、水分摂取不足や水分が過剰に体外へ排出される状態であることによって引き起こされます。全体重の2%の水分を失うと喉の渇きなどを自覚するようになるとされていますが、症状の現れ方は脱水の程度によって異なります。特に小児や高齢者は発熱や下痢・嘔吐など、ささいなきっかけで脱水症に陥ることがあり、場合によっては命に関わることもあるので注意が必要です。

原因

脱水症の原因は体内の水分量が不足することで、水分摂取の不足と過剰な排泄という2つのケースがあります。それぞれの主な原因は以下のとおりです。

水分摂取の不足

ヒトは適度な水分を摂取することで体液を維持しています。一度体内に取り入れられた水分はやがて老廃物などを含んだ汗や尿として排泄されるため、その分の水分を常に補う必要があるのです。

しかし、嘔気や咽頭痛などによって十分な水分がとれなかったり、喉の渇きを自覚せずに水分摂取を怠ったりすると水分補給が減少して脱水症を引き起こすことがあります。

水分の過剰排泄

ヒトの体内にある水分は尿や汗として排泄されます。また、運動後などの目に見えるような発汗以外にも皮膚からは常に水分が失われており、呼吸をする際には呼気として水分が吐き出されます。このように、生命活動を行ううえで失われる水分を“不感蒸泄”といいます。

高温な環境下や運動によって大量の発汗を繰り返したり、発熱によって不感蒸泄量が上昇したりすると、体外へ排泄される水分量が減少して脱水症を発症することがあります。熱中症も脱水と密接に関連しています。

また、胃腸炎などによって下痢や嘔吐が繰り返された場合や、消化管出血などによって慢性的な出血が続いている場合にも体内の水分排泄量が増加して脱水症を引き起こします。

症状

脱水症の症状は失われる水分の割合によって変化します。全体重の2%ほどの水分が失われた場合、喉の渇きを自覚するようになります。さらに水分が失われると食欲不振や疲れなどが生じ、5%にまで及ぶと頭痛や嘔気が見られます。また、体温の上昇や尿量の減少・濃縮といった身体所見も現れるようになり、20%の水分が失われると尿が完全に出なくなって死亡することもあります。

また、下痢・嘔吐や出血などが原因の脱水では、水分のほかに大量の電解質(体の中のカリウム、ナトリウム、マグネシウムなどのミネラル)が失われます。このため、血液の浸透圧は低下して細胞内へ水分が移動しやすくなるのです。この結果、喉の渇きや皮膚・粘膜乾燥などの自覚症状が少なく、気付かぬ間に脱水がさらに進んで倦怠感(けんたいかん)などの症状が現れます。また血液量が減るため、それに伴って血圧が下がったり脈が早くなったり、手足の末端が冷たく変化するのも特徴です。

一方、水分摂取不足や多量の発汗などが原因の脱水では、電解質よりも水分が主体となって失われ、血液の濃度が濃くなるため血管内側に水分が多く移動します。結果として、1つひとつの細胞内の水分量が減少するため、喉の渇きや皮膚・粘膜の乾燥が著明に現れます。しかし、血液量は維持されているため、血圧が下がったり脈が早くなったりするなどの変化は生じにくいのが特徴です。

検査・診断

脱水症では全身の状態を把握するため、診察の後に血液検査がよく行われます。血液検査では、クレアチニン値や尿素窒素値によって脱水の状態を評価することや電解質の状態を確認することが可能です。また、尿の量を経時的にチェックすることが必要となることもあります。

脱水症の原因が下痢・嘔吐・出血などである場合には、炎症反応や貧血の有無を調べるための血液検査やレントゲン、超音波検査、CT検査などが必要に応じて行われます。

治療

脱水症治療の基本は不足した水分を補充することです。しかし、失われるのは水分だけでなく、多量の電解質が失われることも少なくありません。このため、血液検査などで電解質の状態を確認し、電解質と水分の両方を含んだ飲料や点滴によって治療が行われます。

水分や電解質の補給方法は、口から水分を取れるのであれば基本的には経口補水液をはじめとした液体を飲みます。しかし、重度の脱水症や自力で水分が取れない場合には点滴によって投与されます。

また、水分や電解質の補給を行うと同時に、嘔吐や下痢などの脱水症の原因となる病気の治療も並行して行われるのが一般的です。

予防

脱水症の予防には適度な水分補給が大切です。特に汗をかきやすい夏場などの温度が高いときや、運動時、入浴の前後、睡眠の前後などは意識的に水分を摂取しましょう。一般的な成人の場合、1日に必要な水分補給の量は食事に含まれる水分を含めて2.5リットルといわれています。

また、子どもや高齢者などがいる家庭では、周囲の大人がこまめな水分補給を促すようにしましょう。大汗をかいたときなどは水分だけでなく塩分も補給できるよう、経口補水液やスポーツドリンクを飲むことが望ましいです。

高齢者の場合、飲み物から水分を十分に補給することが難しい場合もあるので、水分量の多い食事を用意するなどの工夫をしましょう。また、心臓の病気や腎臓の病気など基礎疾患を持っている方の場合、水分の取りすぎも体に負担がかかることがあるため、医師と相談しながら脱水症対策をしましょう。

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