いちょうえん

胃腸炎

最終更新日:
2021年11月04日
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2021/11/04
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2020/10/09
更新しました
2017/09/13
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概要

胃腸炎とは、胃・小腸・大腸の粘膜に炎症が生じる病気のことです。胃腸炎は原因別に感染性・非感染性に区分できるほか、病気の経過によって急性・慢性に分けられます。

感染性胃腸炎とは、ウイルスや細菌などの病原体や寄生虫に感染することによる胃腸炎です。原因となる病原体は多岐にわたり、いわゆる“かぜ”のように感染者から排出される病原体を体内に取り入れてしまう場合のほか、食品などに付着した病原体を口にすることで感染してしまう“食中毒”なども含まれます。一方、非感染性胃腸炎とは薬剤やストレスなどウイルス・細菌などによる感染以外の原因で生じる胃腸炎を指します。

胃腸炎の症状は急性・慢性によって異なります。急性胃腸炎の場合、感染性の胃腸炎である可能性が高く、原因となる病原体の種類や量、患者の免疫力・抵抗力などによって症状の現れ方も大きく異なります。

軽度のお腹の痛みと下痢などが数日続くのみで自然に治ることもあれば、頻回な嘔吐・下痢のため脱水症状に陥って死に至る場合もあります。特に、免疫力や体力が低い高齢者と子どもは急性胃腸炎を発症すると重症化しやすい傾向にあります。

また慢性胃腸炎の場合、感染性・非感染性が見受けられ、長期的に腹痛や下痢、お腹の不快感などがみられます。

原因

胃腸炎の多くは、ウイルスや細菌に感染することによって引き起こされる感染性胃腸炎です。

特に急性胃腸炎を引き起こすウイルスとしては、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなどが挙げられ、いずれも感染者の吐物や唾液、便などに含まれるウイルスの飛沫感染と接触感染によって他者へ感染が広がっていきます。

一方で、ノロウイルスは自然界の二枚貝に潜んでいることが知られており、それらの食材を十分な加熱なしに摂取することで感染することも少なくありません。また、現在注目されているコロナウイルス(SARS-CoV-2)感染でも、咳、発熱などの呼吸器症状が出現する前に、下痢症状が生じる場合があります。

細菌には、大腸菌、サルモネラ、カンピロバクター、赤痢菌などが挙げられます。いずれの細菌もウイルスと同じく飛沫感染と接触感染によって広がっていきますが、十分な加熱がされていない肉類、卵などを食べることで感染することもあります。

また、急性胃腸炎はウイルスや細菌などの病原体のほかにもアニサキスなどの寄生虫を体内に取り入れてしまうことで発症することがあります。主にサバやイカなどの魚介類を生のまま食べることによって感染することが特徴です。

なお、慢性胃腸炎の1つである慢性胃炎の原因となる細菌として、ヘリコバクター・ピロリ菌が挙げられます。ヘリコバクター・ピロリ菌は感染者の唾液などからうつり、消化不良や胃の痛み・不快感などにつながります。また、ヘリコバクター・ピロリ感染により、胃・十二指腸潰瘍が生じる場合があります。

また、そのほかの原因として薬剤によるものやストレスによるもの、暴飲暴食によるものなどが挙げられます。これらの胃腸炎は非感染性胃腸炎と呼ばれます。

症状

胃腸炎の症状は、急性・慢性によって大きく異なります。

急性胃腸炎の場合、ウイルスや細菌などへの感染が原因となること(感染性胃腸炎)が多く、前触れなく突然発症し、発熱、吐き気・嘔吐、下痢、腹痛、お腹の張りなどの症状を引き起こします。

症状の現れ方はさまざまですが、一般的にウイルスによるものは吐き気や嘔吐症状が強く、細菌性のものは下痢や腹痛などの症状が強く現れる傾向にあります。特に腸に強い炎症を引き起こす腸管出血性大腸菌やカンピロバクターなどの細菌によるものでは、発症後に血便(血が混ざった便)が見られることがあるのも特徴の1つです。

腸管出血性大腸菌による急性胃腸炎は重症化すると腎臓の機能低下を引き起こす“溶血性尿毒素症候群”を発症し、命に関わることも少なくありません。なお、感染性胃腸炎は重症化すると高熱、下痢・嘔吐によって水分不足の状態に陥り、疲労感や脱力、喉の渇き、めまい、立ちくらみ、動悸などの症状を引き起こすことがあります。

慢性胃腸炎の場合には、長期的な胃やお腹の痛み・不快感のほか、食欲不振、下痢などがみられることもあります。

検査・診断

胃腸炎が疑われるときには必要に応じて次のような検査が行われます。

血液検査

主に急性胃腸炎の際に行われます。体の炎症や脱水の程度を調べるために行う検査です。基本的な検査であるため、発熱を伴わないなど軽度な急性胃腸炎を除いてはほぼ全ての例で実施されます。

画像検査

胃腸炎は、重症化すると腸の粘膜に強いダメージを与えるため、一時的に腸の動きがストップしてしまうことがあります。このような重症な症状のサインがないか確認したり、便のたまり方などを評価したりするために腹部レントゲン検査が行われることも少なくありません。

また、胃腸炎と似た症状はほかの消化管の病気によって引き起こされることもあるため、消化管の病気の有無を確認するために腹部CT検査が行われることがあります。

なお、慢性胃腸炎の場合には、胃や腸の状態を確認するために内視鏡(胃カメラ大腸カメラなど)検査が行われることもあります。

便検査

感染性胃腸炎の場合に原因を特定するための検査です。ノロウイルスやロタウイルスは便の中のウイルスの有無を簡便に判定できる検査キットが開発されているため、速やかに検査することができます。

一方、細菌感染による場合は治療に適した抗菌薬を選択するためにも便を培養して原因となる細菌を特定する検査や、検出された菌の抗菌薬への耐性の有無を調べる薬剤感受性検査が必要となります。

治療

感染性胃腸炎の場合は、便や吐物などとともに体内で増殖した病原体が排出され、一定の時間が経過すれば自然と改善していくことがほとんどです。整腸剤や発熱に対する解熱剤の服薬など、症状を緩和させるための治療を行って様子をみます。

また、脱水症状を防ぐためにこまめな水分補給を行います。水分補給には電解質や糖がバランスよく配合された経口補水液が有効です。多くは経口補水液の摂取で十分ですが、水分が取れない場合には点滴による治療が行われます。

細菌性の場合は原因菌に適した抗菌薬を使用することで回復を早めることが可能ですが、急性胃腸炎を引き起こすウイルスに対する抗ウイルス薬は開発されていないため、治療は症状を緩和させるための治療が主体となります。

一方、アニサキスなどの寄生虫による急性胃腸炎のように、内視鏡で寄生虫自体を取り除かなければ治らない特殊なケースもあります。

また、非感染性胃腸炎では原因となる事柄(薬剤など)を取り除くほか、症状に対する対症療法を行って様子をみます。

予防

感染性胃腸炎を予防するには飛沫感染・接触感染を防ぐため、手洗い・手指消毒・マスク着用などを徹底することが大切です。特に、高齢者や子どもなど感染性胃腸炎を発症すると重症化しやすい場合は、できるだけ生ものや生焼けのものを避け、しっかり火が通った食事を選ぶようにしましょう。

非感染性胃腸炎はストレスや暴飲暴食など日常生活の習慣によって引き起こされることもあります。ストレスを溜めすぎないように留意し、食べすぎ・飲みすぎに気をつけましょう。

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