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しょくちゅうどく

食中毒

最終更新日
2018年06月28日
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2018/06/28
掲載しました。

概要

食中毒とは、有害物質に汚染された飲食物を口にすることでさまざまな健康被害を受ける病気のことです。食中毒の原因は主に細菌とウイルスですが、非常に多くの細菌とウイルスが食中毒の原因となり得ます。また、自然界のキノコや植物に含まれている自然毒、魚介類や肉類に潜んでいる寄生虫が原因となることもあります。

症状や流行時期、対策、治療法などは原因物質によって異なるため、その時期に流行する食中毒の種類や特徴を把握することが大切です。

原因

食中毒の原因は、大きくわけて4つあります。

細菌性食中毒

種々の細菌に汚染された飲食物が原因となります。主に高温多湿な夏に流行します。

細菌性食中毒には、原因菌によって症状を引き起こすメカニズムが異なり、細菌自体が細胞に侵入して症状を引き起こす細胞侵入型と、細菌が毒素を産生して、その毒素が症状を引き起こす毒素産生型があります。それぞれの原因菌は以下の通りです。

  • 細胞侵入型:腸炎ビブリオ・病原性大腸菌・サルモネラ・カンピロバクターなど
  • 毒素産生型:黄色ブドウ球菌・腸管出血性大腸菌・ウェルシュ菌など

ウイルス性食中毒

ウイルスに汚染された飲食物が原因となります。冬に流行することが多いです。

もっとも多い原因ウイルスはノロウイルスであり、ノロウイルスによる食中毒は全食中毒のなかで最も患者数が多く、2016年には全国で一万人以上が健康被害を受けています。他には、サポウイルスやアデノウイルスなどが原因となることがあります。

自然毒中毒

自然界に存在する毒素が原因となります。一年を通して発生し、キノコ毒は特に9、10月に発生が集中します。

動植物に含まれる自然毒にはさまざまなものがありますが、日本で特に多いのはフグ毒とキノコ毒によるものです。植物性自然毒でもっとも多いキノコ中毒は、カキシメジやツキヨタケ、ベニテングタケなどが原因となり、有害なキノコと知らずに食べて中毒を起こすことが多いです。

動物性自然毒であるフグ毒は、一般に卵巣や肝臓、腸などに存在し、食品衛生法に基づいて適切に処理されるため、通常は人に提供されることはありません。しかし、取扱業者が適正に処理しない場合には提供されてしまうこともあります。

寄生虫感染

魚介類や肉類に潜む寄生虫が原因となります。一年を通して発生します。

日本で多いものはヒラメに寄生するクドアとサバなどの青魚に寄生するアニサキスです。これらを生食することで寄生虫が胃や腸の壁に食いつき、さまざまな症状が引き起こされます。

症状

食中毒の症状は原因物質によって大きく異なります。また潜伏期間もさまざまで、飲食をしてから発症までに10日ほどかかることもあります。そのため、食中毒と気づかれず、適切な対策が講じられないこともあります。これは、感染を拡大させることにもつながるので、注意が必要です。

細菌性食中毒

毒素産生型のなかでも体内に侵入する前から毒素を産生するタイプの黄色ブドウ球菌は潜伏期間が短く、細胞侵入型は発症までに時間がかかることが特徴です。

多くに共通する症状としては、下痢で発症することが多く、嘔吐や発熱は原因菌によっては軽度なこともあります。症状の程度はさまざまで、高度な脱水や敗血症になるような重症例もあれば、数回の下痢のみしか起こらない軽症なものもあります。

特に、重症例として注意すべきものは腸管出血性大腸菌による食中毒です。激しい下痢から始まり、数日で血便が出るのが特徴です。子どもや高齢者などの抵抗力が弱い人は10%程度の確率で溶血性尿毒症症候群脳炎などの重篤な合併症が生じます。

ウイルス性食中毒

原因ウイルスによって重症度は異なりますが、症状はほぼ共通しています。初発症状は嘔吐が多く、下痢や腹痛、発熱などの急性胃腸炎様の症状が生じます。通常は1~2日で自然とよくなることが多いですが、抵抗力が弱い人は重症化したり、症状が長引いたりすることがあります。

自然毒中毒

自然毒の種類によって症状は大きく異なります。一般的に神経刺激症状や麻痺、臓器障害が多く見られます。キノコ毒は、症状によって錯乱型、多臓器障害型、胃腸障害型にわけられ、多臓器障害型は予後が悪いとされています。

寄生虫感染症

もっとも患者数が多いクドアは、一過性の嘔吐や下痢が生じるのみですが、アニサキスは激しい腹痛や嘔吐、下痢などを生じ、しばしば急性腹症と診断されることもあります。

検査・診断

食中毒の検査を行うには、まず飲食内容や時間、周りに同様の症状の人がいなかどうかの確認が必要です。闇雲にさまざまな検査を行っても意味がないので、検査計画を立てるうえでも問診の内容は非常に重要となります。

検便

細菌性、ウイルス性食中毒ではほぼ全例で行われる検査です。便を採取して培養したり、PCR検査をおこなったりすることで原因菌やウイルスを特定することができます。

血液検査

炎症や脱水の程度、肝機能などの評価を行う検査です。食中毒の多くは、急性胃腸炎のような症状がみられるため、ほとんどの例で血液検査が行われ、全身の状態がチェックされます。

尿検査

自然毒は尿中に排出されるため、食事内容の詳細がわからないときは尿検査を行って確定診断されることがあります。

画像検査

下痢や嘔吐などの急性胃腸炎様症状に対して、腹部に病変がないかを確認するため、超音波検査やレントゲン検査、CT検査が行われることがあります。

また、アニサキスが疑われる場合には、その存在を確認し、胃内から除去するために上部消化管内視鏡検査胃カメラ)が行われます。

治療

食中毒の多くは対処療法による治療がおこなわれます。頻回の下痢や嘔吐による脱水症状には点滴による水分補給が行われ、腹痛に対して鎮痛剤が使用されることがあります。

また、細菌性食中毒の場合には、抗生剤を使用することもありますが、毒素産生型では抗生剤の投与によって体内の毒素が一時的に増加し、症状がひどくなることもあるため、慎重な投与が必要です。

自然毒に対しては胃洗浄や吸着剤の注入、大量輸液によって毒素の排出を促します。重症な場合には、毒素を排泄するために人工透析をおこなったり、呼吸筋の麻痺が生じた場合には人工呼吸器管理が必要となります。

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