症状
食中毒の症状は、原因となる微生物や物質の種類と体内に取り入れられた量、全身のコンディションによって大きく異なります。
一般的には、原因物質を体内に取り入れて数時間~1週間前後の潜伏期間を経て発熱や腹痛・下痢・吐き気・嘔吐などの急性胃腸炎の症状が引き起こされます。症状の程度は原因物質の種類や量によって異なり、重症な場合には繰り返される下痢や嘔吐によって脱水状態に陥ることも多々あります。また、食中毒の原因としてもっとも多いノロウイルスは微熱と繰り返す嘔吐、軽い下痢症状が見られます。一方、2番目に多い原因であるカンピロバクターは高熱と繰り返す下痢が見られ、重症化すると血便が見られるようになることも少なくありません。
食中毒による血便は、腸粘膜に強い炎症や損傷が生じることによって引き起こされ、カンピロバクターのほかにも腸管出血性大腸菌、サルモネラ、細菌性赤痢などによって生じることもあります。ときに腸管出血性大腸菌は、進行すると急激な腎機能障害を引き起こす「溶血性尿毒症症候群(HUS)」を発症し、命にかかわることもあるため注意が必要です。
そのほか、寄生虫による食中毒は激しい上腹部の痛みとともにアレルギー反応として蕁麻疹が現れたり、自然毒やボツリヌス菌による食中毒は複視、眼瞼下垂、四肢麻痺、呼吸筋麻痺などの神経障害を引き起こしたりすることがあります。
医師の方へ
「食中毒」を登録すると、新着の情報をお知らせします