原因
食中毒は、人体に悪影響を与えるカンピロバクター・ウエルシュ菌・サルモネラ菌・腸管出血性大腸菌・ボツリヌス菌などの細菌、ノロウイルスなどのウイルス、アニサキスなどの寄生虫が付着した飲食物、ツキヨタケ、クサウラベニタケ、イボテングタケなどのキノコや山菜などの植物性自然毒*、フグなどの動物性自然毒、偶然または過失で混入した食品添加物・農薬などの化学物質が含まれる食材を口にし、体内に有害な微生物や物質を取り込んでしまうことによって発症します。
食中毒の患者数は、ノロウイルスがもっとも多く、次いでカンピロバクター>ウエルシュ菌>サルモネラ菌が続きます。発生件数はカンピロバクター>ノロウイルス>アニサキス>植物性自然毒>動物性自然毒の順に多いです。また、死者数は植物性自然毒>腸管出血性大腸菌>動物性自然毒>ボツリヌス菌の順になります(2015~2019年)。
ノロウイルスは牡蠣などの二枚貝に潜んでいますが、不顕性感染者から食材を介して感染することも多いです。また冬に多く、感染力が強いため集団感染を起こしやすい食中毒原因物質です。
カンピロバクターは少ない菌で発症し鶏肉・鶏卵に多く、ウエルシュ菌は別名「給食病」ともいわれ、作り置かれたカレーや煮込み料理などが原因になることもあります。100度1時間の加熱にも耐える芽胞を作り通常の加熱では死滅しません。
サルモネラ菌は鶏卵・食肉・乳製品などから、ボツリヌス菌は酸素の少ない缶詰・瓶詰めなどを介し感染します。そのほか、魚介類に感染・寄生する腸炎ビブリオやアニサキスも食中毒を引き起こすことがあります。
*植物性自然毒:自然界に存在する天然の毒。正確にはキノコは植物でなく菌類。
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