ちつちゅうかく

腟中隔

最終更新日:
2018年08月15日
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2018/08/15
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概要

腟中隔とは、膣の内部においてしきり状のものが形成され、本来は一本の筒状の形を示す膣内が空間的に分断されてしまう状態のことを指します。腟中隔は、先天的な発生異常を原因として引き起こされます。

まったく症状がないまま経過し、婦人科検診や妊婦健診などの際に偶然病気の指摘を受けることがあります。腟中隔は必ずしも治療を必要とするわけではなく、経過観察となることがあります。

原因

腟中隔は、発生異常を原因として引き起こされる先天的なものです。膣や子宮は胎児期において「ミュラー管」と呼ばれる管をもとにして形成されます。ミュラー管は左右に一本ずつ存在する別々の管ですが、胎児が大きくなる過程においてそれぞれ融合します。その結果、ひとつの空間を持つ子宮、ひとつの筒状の構造をもつ膣が形作られます。

しかし、このミュラー管の融合過程がうまくいかない場合、腟中隔が引き起こされてしまいます。ミュラー管からは膣のみではなく子宮も発生するため、腟中隔と子宮奇形が同時にみられることもあります。

症状

腟中隔では、まったく症状がないまま経過し、婦人科検診や妊婦健診などの際に偶然病気の指摘を受けることがあります。

また、腟中隔ではタンポンを挿入する際などに、ご自身で膣の空間が2つ存在することに気付くこともあります。タンポンを挿入しているはずなのに、挿入されていない側の膣の空間から月経血がみられることがあります。

腟中隔では、性交渉時に痛みを感じることがあります。また、腟中隔の空間の生じ方によっては、生理のときの血液がうまく子宮から膣の外へと排泄されないことがあります。腟中隔が子宮奇形と合併することもあります。子宮奇形の程度によっては、妊娠や出産がうまくいかず、不妊症としての症状が出現することもあります。

検査・診断

腟中隔では、膣の詳細な観察、内診などによって膣に間仕切りが存在することを確認します。腟中隔では子宮奇形を合併することがあるため、子宮奇形の有無も確認されます。具体的には、超音波検査や子宮卵管造影検査、子宮鏡検査、MRI検査などが検討されます。

さらに、腎臓や尿管といった尿路系の奇形を合併することもあるため、これらを評価するための超音波検査や造影検査も検討されることがあります。

治療

腟中隔は必ずしも症状を現すわけではなく、治療介入が必要とされずに経過観察となることもあります。

しかし、タンポン使用に際しての問題や性交時痛などの症状がある際には治療介入が検討されます。具体的には、手術を行うことで不要な間仕切り部分を処理します。

また、子宮奇形を伴っていることもあるため、分娩の異常や不妊につながる異常であると判断される際には、子宮に対しての手術も適宜検討されます。

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