治療
腟内射精障害の治療は、内服薬、サプリメント共に有効といわれているものはありません。そのため腟内射精障害の原因を同定し、その都度その原因に対してのアプローチ方法を検討することが重要です。
たとえば、マスターベーションの仕方が腟内射精障害の原因であると考えられる場合には、その方法を変更するのが1つの治療です。性交渉中に自分の性的感覚に集中する、器具を用いてマスターベーションの方法を矯正するといった方法が挙げられます。また不適切な性的内容によるマスターベーションを行っている場合は、行動療法や心理カウンセリングで興奮するトリガーを修正する必要も出てきます。
早期に挙児(子を授かること)を希望する場合には、マスターベーションによって精液を採取し、精子を子宮内に注入する人工授精が行われることもあります。
また、不妊治療からくるストレスが原因と考えられる場合には、性交渉のあり方をパートナーと話し合うことも重要になります。タイミング法において排卵日前後のみの性交渉を義務的にこなすのではなく、愛情交換の1つの機会として捉えることができるよう、可能な限り心理的なストレスを取り除くことが求められます。
アルコール摂取や薬、糖尿病などの病気が原因と考えられる場合には、飲酒量の制限や原因薬剤の中止、糖尿病や勃起障害に対しての治療介入なども求められます。
性交渉のあり方は人によりさまざまです。不妊カップルに限らず、通常の状態でも腟内射精障害がある場合は、そこに身体状態や心理的な原因が隠れていることがあります。生殖医療や性機能を専門とする医師は性交渉に関してもさまざまなケースを経験しているため、相談してみるのもよいでしょう。心理的な原因が主であれば、性カウンセリングを受けてみるのも1つの手段です。
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