原因
生まれつき発症するタイプは“先天性腸性肢端皮膚炎”と呼ばれ、SLC39A4(ZIP4)という亜鉛の吸収にかかわる遺伝子の異常によって、腸で亜鉛をうまく吸収できなくなると考えられています。
一方、後天的に発症するタイプは“後天性腸性肢端皮膚炎”といい、潰瘍性大腸炎やクローン病などの腸の病気、手術で消化管を切除することで亜鉛の吸収障害が生じるほか、慢性の肝障害や腎障害、がん、神経性食欲不振症(拒食症)、感染症などの病気、あるいは口から栄養を取れない場合などに栄養補給を目的として行われる高カロリー輸液、降圧薬、抗うつ薬、利尿薬などの薬剤が原因となって起こります。近年では加齢が原因となることも分かっており、高齢者の多くが潜在性亜鉛欠乏症(隠れ亜鉛欠乏)であると推測されています。
亜鉛はさまざまな酵素の成分であり、皮膚、骨、歯、毛、肝臓、筋肉、白血球などを構成する重要な栄養素です。そのため、亜鉛が不足すると皮膚の炎症や脱毛、免疫機能低下などといった症状が引き起こされます。
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