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ふくまくしゅよう

腹膜腫瘍

最終更新日
2017年04月25日
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2017/04/25
掲載しました。

概要

腹膜とは腹部の臓器を覆う半透明の膜のことです。この腹膜に発生する腫瘍には、腹膜がん腹膜中皮腫(ふくまくちゅうひしゅ)などが含まれます。後腹膜腫瘍という疾患概念もありますが、こちらは腹膜の背中側にあるスペースにできる腫瘍のため、腹膜腫瘍とは厳密には異なります。

腹膜がん

腹膜がんは、もともと非常にまれな病気と考えられていましたが、近年欧米を中心に増加傾向にあると指摘されていま す。腹膜がんは、発生する場所こそ違うものの、卵巣がんと類似疾患と考えられています。治療も卵巣がんに準拠して行われます。原因不明のがん性腹膜炎と診断されているケースでも、この病気が隠れていることもあるため、診断には注意が必要です。

腹膜中皮腫

腹膜中皮腫も比較的まれな病気ですが 石綿(アスベスト)との関連性が指摘され、注目されています。

原因

腹膜がん

腹膜がんの原因については明らかになっていません。高齢、多産、肥満がリスクファクターとして挙げられます。また、人種によって発生率が異なり、ユダヤ人や非ヒスパニック系白人に多く、BRCA1遺伝子異常 の関連も報告されています。

腹膜中皮腫

直接的な因果関係ははっきりとしていませんが、石綿(アスベスト)との関連性が指摘されています。中皮腫は胸膜、心膜、腹膜に発生しますが、腹膜に現れるものは中皮腫全体のうち約4分の1といわれています。

症状

腹膜腫瘍は、腹部内の病気であるため、早期には症状が現れません。しかし、進行した場合には、下記のような症状がみられることがあります。

  • 腹水貯留:お腹の張り、腹部膨満
  • 腹痛
  • 腰部痛
  • 不正出血
  • 排便の異常

など

腹膜がんは、進行してから病気が見つかることも多いです。その場合、手術ができないほど全身状態が悪化していることがあります。

検査・診断

腹膜がん

診断を確定するには開腹手術や腹腔鏡手術を行い、腹部内の観察、腫瘍切除による組織の採取、病理学的検査を行うことが必要です。腹膜がんの診断基準には、下記の項目があります。

  • 両側の卵巣の大きさは、正常大、もしくは良性変化による腫大である
  • 卵巣以外の病巣が,卵巣表面の病巣より大きい
  • 卵巣の病巣は次のいずれかを満たす:卵巣に病巣がない、卵巣の表層のみに存在する、卵巣の病変は5mm以内である
  • 腫瘍の組織学的および細胞学的特徴は、卵巣漿液性腺癌と類似もしくは同一である

*原発性腹膜がんの診断基準 GOG

しかし、腹膜がんは進行してから病気が見つかることも多く、全身状態が悪い場合には手術ができないこともあります。その場合には、手術の代わりとして腹部CT検査などを行い、卵巣に病変がないかを確認し、腹水穿刺により腹水を採取して組織型を判定します。

また、胃や大腸、膵臓など他の臓器にがんがないかを確かめる検査も必要です。

腹膜中皮腫

問診でアスベストに曝露された経験などはないかを確認します。腹膜中皮腫が疑われた場合は、腹膜がんと同様に腹部CT検査や腹水検査を行います。

治療

腹膜がん

腹膜がんの治療は、卵巣がんの治療に準拠して行います。全身状態が良好であれば、手術によりできる限り腫瘍を除去し、術後に抗がん剤治療を 行います。

手術ができない場合は、まず抗がん剤治療を優先し、全身状態の改善を待って手術を行います。また、手術後に抗がん剤治療を追加します。

基本的な手術の方法は開腹または腹腔鏡による腹腔内の観察、子宮全摘術、両側卵巣と卵管の切除、骨盤や傍大動脈リンパ節生検(または郭清)、大網切除、腹腔内の腫瘍切除です。

抗がん剤治療は二剤を併用する方法が主ですが、分子標的薬を追加する場合もあります。

腹膜中皮腫

腹膜中皮腫も可能な限り手術により腫瘍を摘出することが重要です。手術後に化学療法や放射線療法が併用されることもあります。

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