原因
膵嚢胞の原因となる代表的な病気は、以下のとおりです。
炎症性膵嚢胞の原因となる病気
急性膵炎
急性膵炎は、膵臓から分泌される膵液が膵臓内で活性化され、自分自身の膵臓が消化されることで生じる急性の炎症です。その主な原因はアルコールと胆石*であり、これらが急性膵炎の二大原因として知られています。
*胆石:食べ物の消化を助ける胆汁が固まって石になったもの。
慢性膵炎
慢性膵炎は、膵臓が繰り返し炎症を起こす病気です。初期段階では膵臓の機能が保たれていますが、次第に低下していきます。もっとも多い原因はアルコールで、喫煙も慢性膵炎のリスク因子となっています。長期的なアルコール摂取や喫煙は膵臓に負担をかけ、炎症を引き起こす原因となります。
腫瘍性膵嚢胞の原因となる病気
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)
膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)は、膵液の流れる膵管内に粘液を産生する腫瘍が発生する病気です。この腫瘍は膵管と繋がっているため、分泌された粘液が膵液の流れを妨げ、膵管がさまざまな程度に拡張します。IPMNは腫瘍性膵嚢胞の中で最も頻度が高く、初期段階では良性ですが、時間の経過とともに一部が悪性化する可能性があります。
粘液性嚢胞腫瘍(MCN)
IPMNと同様に粘液を分泌しますが、膵管とはつながっていません。膵尾部に発生することが多い腫瘍です。腫瘍が成長する速度はゆっくりですが、悪性化することもあり、その場合は“粘液性嚢胞腺癌”と呼ばれます。
漿液性嚢胞腫瘍(SCN)
漿液を含んだ小さな嚢胞が集まって形成される腫瘍で、極めてまれな例外を除いて良性です。基本的に大きさは変わりませんが、まれに増大して周囲の臓器を圧迫することがあります。
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