治療
若年性特発性関節炎では、病型により治療が異なります。
全身型の場合には、ステロイドの全身投与によって炎症を鎮めることが治療の中心となります。初期は大量のステロイド投与が必要となりますが、治療にともない症状の改善が認められれば、徐々に薬を減量していきます。ステロイド薬で効果が十分に得られない場合には、トシリズマブというお薬が用いられます。トシリズマブは日本で開発された薬で、IL-6の機能を阻害する薬です。海外では、炎症性サイトカインであるIL-1を阻害するアナキンラやカナキヌマブというお薬を使用することもあります。
全身型以外の関節炎に対しては、非ステロイド抗炎症薬 (NSAIDs)で治療を開始しますが、効果が乏しい例や多関節型の症例ではメトトレキセート (MTX) の投与が行われます。さらに、MTXで効果不十分の場合にはエタネルセプトやアダリムマブといった炎症性サイトカインであるTNF-αを阻害するお薬(TNF阻害薬)やトシリズマブによる治療を検討する必要があります。少関節炎型で見られる眼病変の重症例にもTNF阻害薬が選択肢にあげられます。
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