検査・診断
萎縮性胃炎の検査で第一に選択されるのは上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)です。
そのほかの検査としては、萎縮性胃炎の原因であるピロリ菌の感染があるか調べる検査や、胃の萎縮について間接的に知るための検査などがあります。
内視鏡検査
鼻や口から胃カメラを挿入して、胃の中を直接観察する検査です。
萎縮性胃炎の代表的な胃粘膜の様子として、胃の壁が薄くなり粘膜の下の血管が透けて見えたり(血管透見像:けっかんとうけんぞう)、胃の粘膜が腸の粘膜のようになってしまう腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)が見られたりします。
ヘリコバクター・ピロリ菌の検査
ヘリコバクター・ピロリ菌の感染があるかどうかを調べるための検査には、いくつか種類があります。
迅速ウレアーゼ試験
胃カメラの際に行う検査です。胃の組織を一部採取して、ピロリ菌の有無を迅速に調べることができます。
抗体測定法
血液検査によって、感染しているピロリ菌に対して体の抵抗力でつくられる抗体を評価します。
尿素呼気試験
検査薬を服用し、服用前後の呼気を調べることでピロリ菌の有無を診断する検査です。
便中抗原法
便の中のピロリ菌抗原というものを調べる検査です。
ペプシノゲン検査
ペプシノゲン(PG:胃の粘膜から分泌されるペプシンという物質の前段階のもの)は胃粘膜の炎症や萎縮によってその値が変化するため、胃粘膜の萎縮の程度を知るためのマーカーとなります。血液検査で測定されます。
その他の検査
胃酸の分泌の程度を評価する項目として、ガストリンという値を調べたり、自己免疫性の萎縮性胃炎(A型胃炎)の診断のために胃の組織などに対する自己抗体というものを調べたりすることがあります。これらは血液検査で行います。
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