けっせいびょう

血清病

この病気の情報を受け取るこの病気は登録中です

処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

医師の方へ

概要

血清病とは、ヒト以外の動物から作られた薬剤によってアレルギー反応(免疫反応)が起こる病気です。

ウマやウサギなどから作られる、免疫に関わるタンパク質(グロブリン)が治療に使われることがあります。たとえば、ハブやマムシなどの毒蛇や毒グモに噛まれた場合など体の中に毒物が入った場合は、ウマなど動物からつくられたグロブリンを投与することで、毒性を軽減します。

また、血液の病気の一種である再生不良性貧血では、ウサギから作られたグロブリンを投与し、減ってしまった血液細胞を増やす治療を行うことがあります。

このような動物由来の薬物を、外敵と勘違いしたために起こる異常なアレルギー反応がこの病気の特徴です。発熱、皮疹(ひしん)、リンパ節の腫れ、関節痛などの症状が出現します。異常なアレルギー反応により腎臓が障害されることがあります。治療として、過剰になったアレルギー反応を抑えるステロイド薬を投与します。

原因

他の動物から作られた薬剤に対して、自分の免疫反応が過剰になることが原因です。免疫とはもともと体に備わっている外敵から身を守る仕組みです。免疫が異常にならないように薬剤を作る過程で不純物を取り除くのですが、まれに薬剤そのものを外敵と勘違いしてアレルギー反応が起こることがあります。このような反応を抑えるため、最近は他の動物から作られる薬剤は減少しています。

原因となる薬剤を下記に示します。

  • 抗毒血清(ウマやウシ、ヒツジ由来の抗蛇毒血清、高毒グモ血清)
  • 抗胸腺細胞グロブリン(ウサギ由来の薬剤)
  • 分子標的薬(ヒトと他種由来の混合薬物、リツキシマブなど [ヒトとマウス])
  • 狂犬病ワクチン

症状

薬剤に対するアレルギー反応により症状が起こります。自覚症状としては、発熱、皮膚(ひふ)の発赤、痛みやかゆみ、リンパ節の腫れ、関節痛などがあります。原因となる薬剤を投与してから1~3週間後に症状が現れます。

軽いものは無治療で数日以内に消失しますが、重症化して胃や腸に障害を及ぼすこともあります。また、腎臓が障害されて、尿に血が混じることもあります。以前原因となる薬剤が投与され、これらの症状に気がつかず同じ薬剤を2度投与された場合、重傷化しやすいです。

検査・診断

血清病の診断では、血液検査や尿検査が行われます。どちらも体への負担が少ない検査です。

血液検査

採血をして血液に含まれる血液細胞や免疫細胞を調べます。アレルギー反応や炎症の程度を確認します。また、肝臓や心臓に障害が起きていないか調べることも可能です。腎臓や肝臓の機能もチェックします。

尿検査

尿に血液が含まれていないかどうか調べます。

治療

治療では、アレルギー反応を抑えるために原因となる薬剤を特定し中止することが重要です。通常原因となる薬剤を中止すると、発熱や関節痛などの症状が改善し始め、新たな皮疹の出現が止まります。症状が継続する場合には、ステロイドと呼ばれるアレルギー反応を抑える内服薬で治療を開始します。

症状や重症度に応じて、外来での通院治療か入院治療を決定します。重症化している場合は、点滴のステロイド薬で治療します。皮膚のかゆみ湿疹に対してはアレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬の外用薬や内服薬を併用することがあります。

また、再発の予防として原因となった薬剤の投与を今後避けることが必要です。薬剤によっては似たような構造を持っている場合があるため、新たに内服薬を飲む前に必ず医師に相談してください。

医師の方へ

医師向けの専門的な情報をMedical Note Expertでより詳しく調べることができます。

この病気を検索する

「血清病」を登録すると、新着の情報をお知らせします

処理が完了できませんでした。時間を空けて再度お試しください

関連の医療相談が10件あります

※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。