じゅつごせいしんびょう

術後精神病

別名
術後精神障害
最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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治療

せん妄の治療となると、精神科的な治療や対応のみに目がいきがちです。しかし、第一に求められるのはせん妄の原因の除去を主眼においた身体的治療です。身体状態の悪化はせん妄の重要な危険因子となり、逆に身体状態の改善はせん妄を軽快させます。

そのため原疾患(身体疾患)の治療を行うことは、せん妄の治療において必須です。感染症、炎症、脱水、低栄養状態、電解質異常、高血糖低血糖などについては、速やかな治療(補正)が求められます。その他、疼痛、便秘など患者に苦痛を及ぼす症状についても、可能な限り緩和する必要があります。

また、睡眠・覚醒リズムの調整のため、日中は太陽光をとり入れ夜間は消灯する、日中はテレビ、ラジオ、音楽など適度な刺激を与える、時計、カレンダー、家族の写真をベットサイドに置き見当識を確保する、補聴器や眼鏡を使用して視覚、聴覚を確保する、危険物をベッドサイドから除去する、離床センサーを付けるなどの環境調整も有用です。

家族に対しては、認知症と異なり原因が除去されれば回復可能であることを説明したうえで、日中の声掛けなど家族のできるケアを提案します。辻褄の合わない言動については、無理に修正せず、話を合わせ、話題を変えることが推奨されます。

せん妄に対する薬物治療としては、2011年9月に厚生労働省から器質性疾患に伴うせん妄・精神運動興奮状態・易怒性に対して一部の薬剤の適応外使用を認めるとの通知が出されました。パーキンソン病に伴う幻覚に対しても同様に、一部の薬剤の適応外使用が認められています。

実際には、はじめに抗精神病薬を頓用で使用し効果判定を行います。効果が乏しい場合は追加投与を検討し、症状の改善が見られない場合には抗精神病薬の定時投与に切り替えます。不眠や不穏が強い場合にはベンゾジアゼピンの併用を行う場合もあります。しかし、せん妄に対する薬物治療はあくまで対症療法であるため、むやみに投薬を行わず、ごく軽度のせん妄の場合は睡眠・覚醒リズムの調整(夜間の消灯、日中の声かけなど)により改善を図ることが推奨されます。

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