症状
解離性同一性障害は過去に“多重人格”と呼ばれていたこともあり、その名のとおり同一人物の中に考え方、口調、態度、行動などがまったく異なる別の人格が複数存在するようになる病気です。1つの人格が現れている際の記憶や知覚は別の人格に引き継がれないこともあるため、この病気では過去の一定期間の記憶がまったくない、日々の動作に必要な知識を思い出せないといった“健忘”と呼ばれる症状が現れやすくなります。また、自身にはまったく記憶がない行動を他者から指摘されたり、後々に証拠となるものを発見したりすることも少なくありません。
なお、同一人物の中の別人格の現れ方には、明らかな別人格であると誰の目にも明らかな“憑依型”と明らかではない“非憑依型”というタイプがあります。複数の人格同士がそれぞれ互いの存在を認識する場合は、複数の人格の声が同時に聞こえるなどの混乱を引き起こすことも少なくありません。また、突然別の人格が現れてその場にふさわしくない行動を取るなど円滑な社会生活に支障をきたす症状が目立つこともあります。
また、解離性同一性障害は過去の体験の影響などにより、PTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ病、不安症(不安障害)などほかの精神疾患を併発し、自傷行為を繰り返したり薬物依存に陥ったりするケースが多いことも知られています。
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