概要
遅発月経とは、初めての月経が15歳以上で訪れるものを指します。
遅発月経は女性の思春期遅発症一部と考えられています。思春期遅発症の症状が遅発月経のみであれば、治療は不要とされますが、乳房発育や陰毛発生などにも遅れがみられるようであれば、精密検査が必要になります。なお、初めての月経が18歳になっても訪れない場合は、原発性無月経という別の病気として扱われます。
原因
遅発月経だけが認められるものの、他の二次性徴が正常に訪れて2回目以降の月経も正常ならば、病気とは考えないのが一般的です。
思春期遅発症の症状のひとつとして生じた遅発月経では、ターナー症候群、脳腫瘍、栄養失調、甲状腺機能異常、神経性無食欲症、遺伝子異常によるホルモン分泌異常などが原因として考えられます。ほかにも幼児期の抗癌剤や放射線による治療、子宮奇形などが関係している場合もあります。
症状
遅発月経では、初経が15歳以上で訪れます。思春期遅発症による遅発月経では、乳房発育や陰毛発生など他の二次性徴の遅れ、低身長がみられます。他にも何らかの病気によって思春期遅発症が生じている場合には、原疾患に応じた症状がみられます。
検査・診断
遅発月経の可能性がある場合、まず身体の十分な診察が重要となります。乳房の大きさ、陰毛の程度、月経の時期など性早熟の徴候のほか性生殖器に異常がないかを確認します。次に、身長と体重の発育曲線を使って成長率を調べます。その後、骨成熟の評価や血液検査によるホルモン検査、頭部CTやMRIなどの画像検査を行います。
治療
遅発月経だけであれば特別な治療は不要です。しかし思春期早発症など他の病気が認められる場合には、原因となっている疾患に応じた治療を実施します。
事前の検査、もしくは治療によって長期間の性ホルモン不足が予想される場合には、ホルモン療法でホルモン不足分を補填することで、低身長や将来の妊孕性低下を回避できるようにします。
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