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思春期早発症
思春期早発症とは、通常よりも2~3年ほど早い段階で思春期がはじまってしまう状態を指します。 思春期とは、男性であれば声変わりや精巣の発育、女性であれば初経や乳房の発育などの二次性徴をもとに...
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思春期早発症ししゅんきそうはつしょう

更新日時: 2018年08月24日【更新履歴
更新履歴
2018年08月24日
内容を更新しました。
2017 年 04 月 25 日
掲載しました。
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概要

思春期早発症とは、通常よりも2~3年ほど早い段階で思春期がはじまってしまう状態を指します。

思春期とは、男性であれば声変わりや精巣の発育、女性であれば初経や乳房の発育などの二次性徴をもとに特徴付けられますが、こうした成長過程を通常よりも早い年齢で認めるようになった状態です。

思春期早発症の発症率は同性同年齢のあいだでおおよそ2~3%の割合で発症します。しかしながらそのなかでも治療対象となる患者さんは半数程度といわれており、残りの半数は検査の結果、経過観察にとどまることもあります。

そのため、実際に治療の対象となる思春期早発症の患者さんは同性同年齢の1%程度です。思春期早発症は、女児のほうが男児よりも3〜5倍多く発症するともいわれています。

原因

月経の開始や乳房の発達、精巣の発達など思春期に関連した身体的な変化は、生体内においてホルモンによって厳格に調整されています。

脳の中には視床下部(ししょうかぶ)下垂体(かすいたい)と呼ばれる部位が存在しており、思春期の調整に関わるホルモンが分泌されています。これら脳の組織から分泌されたホルモンは、卵巣や精巣など、思春期に関連した末梢臓器をターゲットとしてはたらきかけることになります。

視床下部からは、ゴナドトロピン放出ホルモンが分泌され、下垂体にはたらきかけてゴナドトロピンを分泌するように促します。下垂体から分泌されたゴナドトロピンは卵巣や精巣にはたらきかけ、それぞれエストロゲンやテストステロンといったホルモンを分泌するようになります。

エストロゲンやテストステロンは性ホルモンとも呼ばれており、全身各種臓器にはたらきかけ思春期に関連した肉体的な変化をもたらします。つまり、視床下部→下垂体→末梢臓器という一連の流れのなかで思春期は発来することになります。

思春期早発症は、これら一連の流れでどこかで異常がある場合に発症することになりますが、下記の2つに大きく分けることができます。

  • 中枢性思春期早発症:視床下部に異常がある
  • 末梢性思春期早発症:視床下部や下垂体が正常にはたらいているにもかかわらず、精巣や卵巣から異常に性ホルモンが分泌される

中枢性思春期早発症

視床下部の異常からゴナドトロピン放出ホルモンが早期から分泌されるようになっています。

この中枢性思春期早発症のなかでも、腫瘍など脳の病気によって引き起こされるものを「器質性中枢性思春期早発症」、検査でも脳などに異常が見当たらず原因不明のものを「特発性中枢性思春期早発症」といいます。

女児の場合は特発性中枢性思春期早発症の割合が多く、女児の思春期早発症の70〜90%を占めます。男児の場合は脳腫瘍などが原因の器質性中枢性思春期早発症が女児よりも多いといわれています。

末梢性思春期早発症

精巣や卵巣に腫瘍が発生するなどを原因として、異常なタイミングで性ホルモンが分泌されるようになっています。

なお、思春期早発症は非常にまれながら、遺伝性疾患として発症することもあります。具体的には、先天性副腎皮質酵素欠損症のよる副腎皮質からの性ホルモン過剰分泌状態を例に挙げることができます。

症状

思春期早発症では、一般的に思春期にみられる肉体的な変化が、通常よりも早くみられるようになってしまいます。思春期の変化としては、性腺の成長や乳房の変化、ひげや声変わりなどがありますが、思春期早発症の診断に際しては、何歳までにこうした変化が出てきたかも重要な判定項目になります。

男児であれば、9歳までに精巣(睾丸)が発育する、10歳までに陰毛が生える、11歳までに脇毛、ひげが生える、声変わりがみられる、などです。

女児であれば、7歳6か月までに乳房の発育がみられる、8歳までに陰毛、脇毛が生える、10歳6か月までに月経(生理)が始まる、などです。

これら思春期が他のお子さんよりも早く来ることから、学校生活において他のお子さんとの違いでからかわれてしまい。精神的な負担となることもあります。また、思春期早発症の陰に隠れて重篤な疾患が存在することもあり、より重篤な症状がみられる場合もあります。

検査・診断

思春期早発症では、問診が重要となります。

また、一言に「思春期」と表現しても、どの程度成熟した状況なのかは異なるため、陰毛や乳房、精巣の発育を確認することも大切です(Tanner分類と呼ばれる指標を元にして評価されます)。

そのほかにも、身長や骨密度にも影響が出るため、成長曲線や骨年齢の測定、また、ホルモンに関連した病気であるため、ホルモンの測定も重要になります。

なかには、腫瘍などの器質的な異常がもとになって思春期早発症が発症していることもあります。そのため、脳のMRIや卵巣の状態をみる腹部の超音波(エコー)検査を実施することで、視床下部や下垂体部にホルモン産生性の脳腫瘍を認めたり、卵巣の多嚢胞性卵巣嚢腫が見つかったりすることもあります。

まれに遺伝性疾患が起因となって思春期早発症が起きることもあるため、遺伝子検査を実施する場合もあります。

治療

思春期早発症で重要なことは、以下の3点です。

(1)早期に体が完成してしまうために、一時的に身長が伸びた後、小柄のままで身長が止まってしまう。

(2)幼い年齢で乳房・陰毛、月経などが出現するために、本人や周囲が戸惑う心理社会的問題が起きる。

(3)まれではあるが、脳などに思春期を進めてしまう原因となる腫瘍病変がないかを確認する必要がある。

したがって、診断のタイミングを逃すことなく迅速に適切な治療法で介入する事が重要です。

治療では、中枢性思春期早発症が多いため、中枢からのゴナドトロピンの放出を抑えるような治療薬を用いることになります。

ゴナドトロピンの分泌を抑えるためにGnRHアナログと呼ばれる薬を注射して治療することになります。その結果、異常な中枢性刺激が末梢に伝わらないようにすることが可能となり、性ホルモンの安定化を図ることができます。年齢や骨年齢などを判断しつつ、治療期間を決定します。

また、思春期早発症は脳腫瘍や性腺腫瘍を原因として発症することもありますので、この場合には上記の注射よりも原因疾患に対しての治療(手術や化学療法、放射線療法など)を考慮することになります。

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