どうけしようぎょりんせん

道化師様魚鱗癬

別名
ハーレークイン魚鱗癬
最終更新日:
2018年08月24日
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2018/08/24
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概要

道化師様魚鱗癬とは、生まれつき全身の皮膚が分厚いうろこのような変化を示す病気です。インターネット上では「ハーレークイン魚鱗癬」と検索されていることも多いようです。

魚のうろこのような皮膚症状が現れる病気はいくつかありますが、道化師様魚鱗癬はそのなかで重症度が高いといわれています。

道化師様魚鱗癬は、生後間もなくから集学的(いくつかの治療を組み合わせて行う)な治療介入が必要とされます。重篤な合併症を起こさないよう、注意深く経過をみることが重要な病気です。

原因

道化師様魚鱗癬は、ABCA12と呼ばれる遺伝子に異常があることを原因として発症します。

ABCA12遺伝子は、皮膚が正常に形成されるためになくてはならない遺伝子であり、特に皮膚の表面を形成する上皮と呼ばれる場所の発達に重要な役割を担う遺伝子です。

そのため、ABCA12遺伝子に異常があると、皮膚の発達過程に支障が生じ、道化師様魚鱗癬に特徴的な症状が引き起こされると考えられています。

遺伝子異常を原因として発症する道化師様魚鱗癬は、常染色体劣性遺伝と呼ばれる遺伝形式をとります。1つの細胞はABCA12遺伝子を2つ持っていますが、1つが異常を示すのみでは発症には至らず、2つともに異常を示す場合に発症に至ります。

症状

道化師様魚鱗癬では、生まれつき皮膚に変化を認めます。全身の皮膚が魚のうろこのように分厚く変化し、皮膚が所々裂けたように見えます。

また、皮膚の変化に付随して目や口、耳、鼻なども変形を示すようになります。皮膚の柔軟な可動性が阻害されることから、手足の動きが制限されることもあります。

さらに、息を吸う・吐くといった呼吸活動に支障が生じることもあり、重篤な呼吸不全を生じることもあります。

その他にも、正常な皮膚機能を喪失しているため、水分を体内に保持することができなくなります。また、細菌感染が起こりやすくなったり、体温を保持することが困難になったりします。

検査・診断

出生間もなくからみられる全身の皮膚変化、目や口などの変形をもとに道化師様魚鱗癬が疑われる場合、検査が検討されます。

具体的には、遺伝子の異常によって生じる病気であることから、遺伝子検査をおこなってこの遺伝子異常を特定することがあります。

また、脱水や感染などが続発することがあるため、それらに関連した血液検査、尿検査、細菌検査なども適宜考慮されます。

治療

道化師様魚鱗癬の治療は、保存的療法が中心となります。

具体的には、皮膚に保湿剤やワセリンなどを塗布して保護を図ったり、体温喪失を起こしやすいため保温を心がけたりします。また、レチノイド全身投与療法を行うこともあります。

感染症が生じた場合には、抗生物質や抗真菌薬、抗ウイルス薬などの投与が適宜検討されます。脱水症状が強い場合には、点滴による補液も考慮されます。

そのほかにも、皮膚症状による呼吸制限が強い場合は、酸素投与や挿管による人工呼吸管理などが検討されます。

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