症状
鉤虫症では症状を起こさないまま経過することもあります。症状を呈する場合には、鉤虫の寄生先に応じた臓器症状が出現します。皮膚を通して寄生が成立しますが、侵入部位に一致したかゆみや赤み、皮膚の盛り上がりなどをみることがあります。鉤虫が肺に移動すると、咳や喘鳴などの呼吸器症状をみます。
鉤虫が消化管内に移動すると、慢性的に出血するため、鉄欠乏性貧血をみることになり、動悸や息切れ、運動時の易疲労感、顔色不良、爪の変形などの貧血症状も出現します。貧血に関連して、異食症(土などを好んで食べることです)や心不全(むくみや呼吸困難など)などをみることもあります。また、タンパク質も喪失されることから、栄養状態にも影響を受けることがあります。鉄欠乏性貧血や栄養状態の悪化によって精神発達面や身体の成長に影響を及ぼす危険性があるため、特に発展途上国においては小児期に注意が必要です。
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